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第28回 日本消化器関連学会週間(JDDW 2020)

肝臓を基軸とした臓器連関

2020年11月05日 06:55

ワークショップ2 提案:日本肝臓学会

本日 9:00〜12:00 第3会場

司会 中牟田 誠氏 国立九州医療センター・肝臓病センター
考藤 達哉氏 国立国際医療研究センター・肝炎・免疫研究センター
疋田 隼人氏 大阪大・消化器内科
演者 宮崎 照雄氏 東京医大茨城医療センター
筒井 由梨子氏 国立国際医療研究センター・肝炎・免疫研究センター
川口 巧氏 久留米大・消化器内科
西川 浩樹氏 兵庫医大・消化器内科
坂根 貞嗣氏 大阪大大学院・消化器内科学
岡田 浩介氏 筑波大附属病院・つくば予防医学研究センター
小林 由直氏 三重大保健管理センター
上村 顕也氏 新潟大大学院・消化器内科学
佐野 晃俊氏 東北大・消化器病態学
翠 洋平氏 福井大・2内科
中村 裕氏 長崎大病院・消化器内科
今村 良樹氏 愛媛大大学院・消化器・内分泌・代謝内科学
塩田 香織氏 日本医大・消化器肝臓内科

 肝臓は多様な臓器との連関を介し生体の恒常性の制御・維持に寄与している()。本セッションでは、肝臓と他臓器との連関に着目し、機序や病態、診断法、治療法、予後因子などを検討する演題が並ぶ。司会を務める考藤達哉氏は「臓器連関は、肝疾患を考える上で非常に重要な切り口。多くの方に参加していただき、広く深い肝臓診療の世界の新たな息吹に触れてほしい」と話す。

肝疾患とサルコペニア、NAFLD/NASHの連関を検討

 肝疾患とサルコペニアの関わりに迫るセッションの序盤では、①肝硬変における血中胆汁酸濃度とサルコペニア②運動と慢性肝障害および肝がん③握力と肝疾患関連イベント-などの相関関係が検討される。考藤氏はサルコペニアについて「肝疾患の予後にも大きな影響を及ぼすが、その実態は未解明な部分が多い」と指摘する。

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 中盤以降は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の病態や治療戦略を探求した成果も複数発表される。NAFLD/NASHへの関与が示されているオートファジーと、肝臓および脂肪組織における脂肪蓄積制御の関係などを検討した演題の他、近年増加している小児NAFLDのバイオマーカーとして血中細胞外小胞数の有用性を検証した演題も注目される。

 さらに、NASHをはじめ種々の肝疾患と自律神経系、あるいはNASHと門脈血中遊離アミノ酸との関連性を論じる演題も設けられており、同氏は「これらは最近新たに取り組みが始まった研究分野であり、これまで日本肝臓学会ではあまり取り上げられていない。いずれも新規性が高く、注目に値する」と話している。

肝硬変、門脈圧亢進症の機序や診療法をめぐるユニークな研究も

 さらに、大腸内視鏡下でブラシを用いて採取した粘膜擦過検体から腸内細菌叢のDNAを解析し、肝疾患に与える影響を探索した研究成果も示される。この手法について、「非常にユニークで、その有用性や一般的によく用いられる糞便検体による解析との相違点などに興味が湧く方も多いのではないか」と考藤氏。他にも、肝硬変および末期肝不全の入院患者、肝移植レシピエントを対象にした骨微細構造の解析結果を報告する演題も意義深いという。

 後半の門脈圧亢進症をテーマとした2演題では、膵硬度とインスリン分泌能の相関や、肝硬変に合併する門脈肺高血圧症の臨床的な特徴を明らかにした疫学調査の結果などを扱う。

 肝臓と他臓器間の病態連携を明らかにすることで、肝臓学に新たな展望をもたらすセッションとなることが期待される。

特別企画

新型コロナ感染症と消化器診療 11月6日(金)14:00~17:00 第10会場

新型コロナ感染症と消化器診療

[司会]
三輪 洋人氏(兵庫医大・消化器内科)
持田 智氏(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科)

[基調講演]
COVID-19の我が国における疫学状況と対応(脇田 隆字氏 国立感染症研究所)
[講演]
日本におけるCOVID-19の臨床(田村 格氏 自衛隊佐世保病院)
[講演]
日本人におけるCOVID-19重症化が少ない理由(金井 隆典氏 慶應義塾大・消化器内科)
[講演]
SARS Cov2 virus ワクチン開発の現況と将来(森下 竜一氏 大阪大大学院・臨床遺伝子治療学)

[日本消化器病学会]
COVID-19パンデミックにおける消化器専門医の役割(伊佐山 浩通氏 順天堂大・消化器内科)
[日本肝臓学会]
COVID-19への対応-日本肝臓学会の立場から-(四柳 宏氏 東京大医科学研究所・先端医療研究センター感染症分野)
[日本消化器内視鏡学会]
COVID-19拡大下における消化器内視鏡診療(入澤 篤志氏 獨協医大・消化器内科)
[日本消化器外科学会]
COVID-19と消化器外科診療(日比 泰造氏 熊本大・小児外科・移植外科)
[日本消化器がん検診学会]
消化器がん検診にあたっての新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対策について(加藤 勝章氏 宮城県対がん協会がん検診センター)

統合プログラム

11月5日(木)統合1(ワークショップ) 9:00~12:00 第8会場

消化器疾患診療におけるパラダイムシフト:第4次産業革命と20年後の消化器病学

近年、消化器疾患の疾病構造は大きく変化し、技術革新と相まってパラダイムシフトが生じた。人工知能(AI)、IoTなどによる第4次産業革命が消化器疾患診療にもたらす影響を考察する。

[司会]
田尻 久雄氏(東京慈恵会医大・先進内視鏡治療研究講座)
下瀬川 徹氏(みやぎ県南中核病院)

11月5日(木)統合2(ワークショップ) 14:30~17:00 第6会場

胆道・膵管の上皮内腫瘍(2019年WHO消化器腫瘍分類改訂をうけて)

2019年に改訂された世界保健機関(WHO)消化器腫瘍分類に基づき、胆道・膵管上皮内腫瘍に関する最新の基礎および臨床研究を報告する。

[司会]
大塚 将之氏(千葉大大学院・臓器制御外科学)
入澤 篤志氏(獨協医大・消化器内科)

11月6日(金)統合3(パネルディスカッション) 9:00~12:00 第6会場

高齢者の消化器病診療の適応と妥当性

急速な高齢化の進展に伴い、特別な配慮が必要となる高齢者の消化器疾患も増加している。消化器病診療における青壮年者と高齢者の相違点を明らかにし、対策について議論する。

[司会]
村上 和成氏(大分大・消化器内科)
田邉 稔氏(東京医歯大大学院・肝胆膵外科学)

11月6日(金)統合4(ワークショップ) 14:00~17:00 第6会場

ゲノムを用いた消化器疾患の治療戦略

昨今のゲノム研究の著しい進歩により、消化器疾患に対してもprecision medicineが期待されるようになった。ゲノム研究を用いた新しい治療戦略を議論する。

[司会]
茶山 一彰氏(広島大大学院・消化器・代謝内科学)
吉田 和弘氏(岐阜大大学院・腫瘍外科学)

11月7日(土)統合5(パネルディスカッション) 9:00~12:00 第6会場

マイクロバイオータ(腸内細菌)と全身疾患

自己免疫疾患や発がんなどへの関与が指摘される腸内細菌叢について、肝胆膵をはじめとする消化器疾患、さらには全身性疾患との関係について考察する。

[司会]
安藤 朗氏(滋賀医大・消化器内科)
袴田 健一氏(弘前大・消化器外科)

11月7日(土)統合6(シンポジウム) 14:00~17:00 第6会場

胃・食道接合部領域の諸問題

最近注目を集めている胃・食道接合部(GEJ)領域の疾患について、定義、診断方法、Helicobacter pylori感染との関連、発がんリスクといったトピックについて議論する。

[司会]
瀬戸 泰之氏(東京大大学院・消化管外科学)
後藤田 卓志氏(日本大・消化器肝臓内科)

Strategic International Session

11月6日(金)ST-S1(シンポジウム) 9:00~12:00 第9会場

JSGE・AGA Joint Symposium:疾患病態における腸内細菌の役割(JSGE・AGA Joint Symposium:Cause and effect of microbiota for health and diseases)

ヒトの腸内には約1,000種類、100兆個にも及ぶ細菌が生息しており、それらの集団が腸内細菌叢(マイクロバイオータ)を形成している。本セッションでは、腸内細菌叢が宿主細胞の機能に及ぼす影響や、炎症性腸疾患(IBD)をはじめ多様な疾患との関係について議論する。

[司会]
金井 隆典氏(慶應義塾大・消化器内科)
竹田 潔氏(大阪大大学院・免疫制御学)
Ramnik Xavier氏(Harvard University)
Eugene B. Chang氏(The University of Chicago)

[Discussant]
垣内 伸之氏(京都大・腫瘍生物学)
根本 泰宏氏(東京医歯大大学院・消化器病態学)

11月6日(金)ST-S2(シンポジウム) 14:00~17:00 第9会場

JSH・AASLD Joint Symposium:肝癌:サーベイランスと治療(JSH・AASLD Joint Symposium:Surveillance and treatment of hepatocellular carcinoma)

肝がんの危険因子として、ウイルス性肝炎、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、アルコール摂取が知られている。肝がんの死亡率を抑制するには早期の発見と局所療法施行が重要だが、早期に診断される症例の少なさが課題となっている。近年の分子標的治療の進歩も踏まえ、肝がんの効果的な治療戦略の再構築を議論する。

[司会]
竹原 徹郎氏(日本肝臓学会・理事長)
Ray Kim氏(Stanford University Medical Center)

11月7日(土)ST-S3(シンポジウム) 9:00~11:00 第9会場

大腸癌に対する新たな診断,治療戦略(New diagnostic and treatment approach for the colorectal cancer)

最近の集学的治療と診断法の向上により、大腸がんの治療戦略は劇的に変化している。直腸がんではさまざまな術前化学療法の新規レジメンを検証する臨床試験が進行している他、非手術的管理による臓器温存術(watch and wait)が注目されている。本セッションでは、大腸がんの診断と治療における革新的なアプローチに焦点を当てる。

[司会]
内藤 剛氏(北里大・下部消化管外科)
小西 毅氏(University of Texas MD Anderson Cancer Center)

11月7日(土)ST-PD1(パネルディスカッション) 14:00~17:00 第9会場

日米における内視鏡医療の相違-日本の消化器内視鏡学会に期待すること-(Bridging Japan and the US in the gastrointestinal endoscopy-The expectations for JGES-)

米国消化器内視鏡学会(ASGE)のRobert Hawes氏、世界内視鏡学会(WEO)会長のFabian Emura氏をお迎えし、日本消化器内視鏡学会への期待をご講演いただく。また、米国で活躍する日本人内視鏡医を交え、日米の相違や今後の消化器内視鏡医療の展望について議論し、若い世代の内視鏡医に向けてメッセージを発信する。

[司会]
田尻 久雄氏(東京慈恵会医大・先進内視鏡治療研究講座)
河合 隆氏(東京医大・消化器内視鏡学)

[コメンテーター]
勝呂 麻弥氏(東京医大・消化器内科)
Philip Wai Yan Chiu 氏(Department of Surgery, Faculty of Medicine, The Chinese University of Hong Kong)

JDDW 2020 女性医師・研究者プログラム 11月6日(金)14:00~17:00 第13会場

女性医師の選択?ジェネラリストかスペシャリストか -新専門医制度に向けて

[司会]
佐々木 裕氏(長崎国際大)
名越 澄子氏(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科)

[演者]
● GeneralityとSpecialtyとの有機的連携(佐々木 裕氏 長崎国際大)
● 憧れの消化器外科専門医・スペシャリストを目指して(高須 千絵氏 徳島大・消化器・移植外科)
● 新専門医制度での女性スペシャリスト育成の課題(岡田 英理子氏 東京医歯大・臨床医学教育開発学・総合教育研修センター)
● 消化器内科のジェネラリストを目指して(小林 奈津子氏 健和会病院・消化器内科)
● 食道内視鏡医を目指して(藤原 純子氏 防府消化器病センター・消化器内科)
● 女性医師キャリア形成における専門医取得の意義~開業医の立場より~(山田 裕希氏 林田クリニック)

第20回医療セミナー 11月7日(土)9:00~12:00 第13会場

働き方改革への取り組み

[司会]
小池 和彦氏(東京大大学院・消化器内科学)
森 正樹氏(九州大大学院・消化器・総合外科学)

[演者]
● 医師の働き方改革の制度設計(加藤 琢真氏 厚生労働省・医政局医事課)
● 大学病院における医師の働き方改革について(石丸 成人氏 文部科学省・高等教育局医学教育課)
● 地方の大学病院,消化器病診療科の立場から(日浅 陽一氏 愛媛大大学院・消化器・内分泌・代謝内科学)
● 外科医の働き方改革に向けての取り組み(馬場 秀夫氏 熊本大大学院・消化器外科学)
● 消化器内視鏡学会の立場から ―女性内視鏡医キャリアサポートWGの活動を含めて―(中村 真一氏 東京女子医大・消化器内科)
● 肝臓学会の立場,および女性医師の立場から(飯島 尋子氏 兵庫医大・消化器内科)
● 公的病院・研究所運営および産業保健推進の立場から(大西 洋英氏 労働者健康安全機構)

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