変わりゆく消化器内視鏡医療を実感してほしい
植木 敏晴氏
第104回 日本消化器内視鏡学会総会 会長
福岡大学筑紫病院 消化器内科 教授
2022年09月15日 12:00
182名の医師が参考になったと回答
消化器内視鏡医療は著しい進歩を遂げています。診断機器として開発された内視鏡が胃や大腸のポリープ切除に用いられ、小さながんの切除は内視鏡で行うようになりました。一方、超音波内視鏡(EUS)の発展は肝胆膵領域に激変をもたらしています。これらの進歩を概観するStrategic International Session「変わりゆく内視鏡医療と内視鏡教育」では、田尻久雄先生と私が司会を務め、国内外の著名医師に講演とコメントをいただきます。
現在、EUSで最も盛り上がりを見せているのが、これまでアプローチが難しく導入が遅れていた肝胆膵領域です。胃から肝内胆管を穿刺しステントを入れる肝内胆管胃吻合術(EUS-HGS)や、胃から主膵管にステントを留置して膵液の流れを改善する内視鏡下膵管ドレナージ(EUS-PD)など、低侵襲の新たな手技が日進月歩で登場しています。シンポジウム「Interventional EUS:エビデンスと新たな展開」やワークショップ「術後再建腸管例における胆管結石治療」で、その一端を垣間見てください。
日本消化器内視鏡学会は春に単独で学会を開催していますが、消化器内視鏡学の発展には内科や外科、検診の専門家との連携が不可欠であり、JDDWが重要な位置を占めます。1つのテーマを異なる領域のスペシャリストが討議する場が多く設けられていますので、新たな交流と協働のためにも積極的にご参加ください。