変わりゆく内視鏡医療と内視鏡教育-これまでの30年とこれからの30年- JDDW30回を記念して(What happened and will happen over the past and the next 30years - Rapid change of endoscopic medicine and education -)
2022年10月27日 06:30
172名の医師が参考になったと回答
Strategic International Session2 提案:日本消化器内視鏡学会
10月27日 14:30〜17:00 第8会場(福岡国際会議場 411+412)
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本セッションは日本消化器関連学会週間(JDDW)の第30回開催を記念し、消化器内視鏡医療と教育の30年を振り返るとともに、30年先の未来展望をテーマに掲げている。司会の田尻久雄氏は、「次世代を担うリーダーに、大胆で夢のある未来について講演してもらう。参加者とともに消化器内視鏡医療・教育の将来を参加者とともに語り合いたい」とセッションの主旨を説明する。
AIにロボット技術、縦横無尽に語られる未来
1985年に国産の電子内視鏡が登場、ほぼ同時期に超音波内視鏡が臨床導入された。1990年代には電子内視鏡が発展し、食道、胃、大腸の早期がんの精緻な診断学が構築された。1994年には内視鏡診断のブレークスルーとなる技術の1つである狭帯域光観察(NBI)の基礎実験が開始され、2006年のNBI市場導入により画像強調診断が普及し、画像診断学が深化した。JDDWが初開催された1993年ごろから胆膵領域を含めた消化器内視鏡診断が進展し、現在、大きな花を咲かせている。
これらを追いかけるように内視鏡治療も発展し、日本発の技術である内視鏡的粘膜切除術(EMR)は、1993年ごろにキャップ法、フード法が開発された。1998年ごろには内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)が登場し、2000年以降に世界中で普及した。
また田尻氏は、内視鏡教育のキーワードとして専門医制度と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を挙げる。「近年、日本の医学は専門医制度問題で揺れ動き、医学教育の在り方を見直す契機となった。また、COVID-19パンデミックによりe-ラーニングやオンラインセミナーの導入が進み、会議・教育システムの変革が加速している状況にある」と指摘する。
以上を踏まえた30年後に向けた展望として、①リキッドバイオプシー導入による効率的なスクリーニング体制の構築と人工知能(AI)を活用した内視鏡診断の普及、②AI、ロボット技術、情報技術を融合した次世代型の内視鏡治療の誕生と普及、③コロナのパンデミックで一気に普及した会議・教育面のウェブ化と遠隔医療の広がり―の3点を挙げる。「ただし、これらは私の個人的な展望。本セッションでは次世代のリーダーに、将来の消化器内視鏡医療・教育を縦横無尽に語ってもらう。どのような未来が描かれるのか楽しみにしてほしい」と同氏は強調している。
セッションでは米国消化器内視鏡学会会長のBret T. Petersen氏と欧州消化器内視鏡学会会長のHelmut Messmann氏による基調講演に続き、アジア、日本の次世代を担うPhilip Wai Yan Chiu氏、土屋貴愛氏、角嶋直美氏、森悠一氏が講演。特別発言では、第1回JDDW開催当時の日本消化器内視鏡学会会長である藤田力也氏が当時のエピソードや未来を担う世代へのメッセージを語り、Horst Neuhaus氏は消化器内視鏡医療と教育の過去と未来についてグローバルな視点で解説する予定である。
田尻氏は「消化器内視鏡の未来を担う先生方や、次世代を育成する指導的立場の先生方にぜひとも参加していただきたい」と呼びかけている。
図. 消化器内視鏡医療の未来予想図
(土屋貴愛氏提供)
第65回 日本消化器病学会大会 | 会長 名越 澄子 埼玉医科大学総合医療センター 消化器・肝臓内科 |
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第106回 日本消化器内視鏡学会総会 | 会長 塩谷 昭子 川崎医科大学 消化器内科 |
第27回 日本肝臓学会大会 | 会長 島田 光生 徳島大学大学院 消化器・移植外科学 |
第21回 日本消化器外科学会大会 | 会長 大段 秀樹 広島大学大学院 消化器・移植外科学 |
第61回 日本消化器がん検診学会大会 | 会長 日山 亨 広島大学保健管理センター |