肝胆膵低侵襲手術の現状と将来(Minimally invasive HBP surgery: Current status and future prospects)
2022年10月28日 06:30
178名の医師が参考になったと回答
Strategic International Session4 提案:日本消化器外科学会
10月28日 14:40~17:00 第2会場(福岡サンパレス 大ホール)
司会 |
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基調講演1 |
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基調講演2 |
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基調講演3 |
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基調講演4 |
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特別発言 |
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肝胆膵に対する腹腔鏡手術やロボット支援下手術などの低侵襲手術は、難易度が極めて高く死亡リスクも高いなどの理由から、他の消化器領域にやや遅れて導入された。司会の中村雅史氏は「膵臓に関しては、骨格で囲まれた条件下でも3Dカメラによる良好な術野と手術機器先端部の関節による優れた可動域に鑑み、ロボット支援下手術が適している」と指摘する。海外では膵頭十二指腸切除術(PD)においてロボット支援下手術が普及し(写真)、既に腹腔鏡手術から移行状態にある。日本では2020年4月にロボット支援下手術がPDに対し適応拡大され、今年(2022年)4月には肝切除術が適応拡大されるなど、低侵襲手術の施行環境が整いつつある。
ビデオ映像で最新の術式を学ぶ機会に
本セッションの冒頭には、肝臓手術の世界的権威である若林剛氏が基調講演を行う。若林氏は肝胆膵領域でのロボット支援下手術への造詣も深く、低侵襲手術の第一線で活躍している豊富な経験から、今後の展開についての解説に期待が集まる。
台湾のShin-E Wang氏は、ロボット支援下膵臓手術の第一人者として知られている。Wang氏の発表は、ロボット支援下での膵尾側切除術、PD、膵全摘術などの術式を安全かつ適切に行うスキルを学ぶ絶好の機会となる。
肝切除術は、腫瘍に対する切除と肝移植ドナーに対する切除に大別される。今回、前者について同じく台湾のKuoHsin Chen氏が、従来の推奨範囲を超える腫瘍などへの適用が進みつつある腹腔鏡下肝切除術の治療成績と課題を報告する。後者については、韓国のKi-Hum Kim氏がロボット支援下のドナー肝切除術の治療成績および安全性に加え、術後瘢痕などの患者QOLに関する重要性を報告する。
最後にSpecial remarksとして、世界における肝臓腹腔鏡手術の草分け的存在である金子弘真氏が、これまでの低侵襲手術の経験を踏まえた総括と今後の展望を述べ、セッションを締めくくる。
中村氏は「肝臓および膵臓での腫瘍切除、生体肝移植におけるドナー手術といった三大領域に関し、各演者からビデオ映像を提供してもらう予定だ。本セッションに参加することで最新の術式を学ぶまたとない機会になるであろう」と聴講を呼びかけた。
写真. ロボット支援下膵頭十二指腸切除術における膵管空腸粘膜吻合
(阿部俊也氏、中村雅史氏提供)
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第106回 日本消化器内視鏡学会総会 | 会長 塩谷 昭子 川崎医科大学 消化器内科 |
第27回 日本肝臓学会大会 | 会長 島田 光生 徳島大学大学院 消化器・移植外科学 |
第21回 日本消化器外科学会大会 | 会長 大段 秀樹 広島大学大学院 消化器・移植外科学 |
第61回 日本消化器がん検診学会大会 | 会長 日山 亨 広島大学保健管理センター |