オンライン診療と遠隔医療の現状と課題
2022年10月29日 06:30
258名の医師が参考になったと回答
第22回医療セミナー
10月29日 9:00〜12:00 第11会場(福岡国際会議場 502+503)
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オンライン診療や遠隔医療は、地域による医療格差の解消を図るだけでなく、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染リスクを抑制する上でも重要な役割を担うようになった。本セッションでは、オンライン診療の実施に際し踏まえておくべき指針および注意点、実践例や将来性などに言及する演題が並ぶ。その概要について、司会を務める四柳宏氏に聞いた。
オンライン診療で対応する疾患や治療薬の適否などを示す
本セッションは基調講演を含む計7演題から成る。前半の3演題ではオンライン診療における指針や枠組み、要点などに関する発表が行われる。基調講演では佐々木康輔氏が、今年(2022年)1月に改訂された「オンライン診療の適切な実施に関する指針」の改訂ポイントなどを提示。電話・オンライン診療に関する国民への周知例や(図)、制度の概要を説明する。山本隆一氏は厚労省「オンライン診療の適切なあり方検討会」の座長で、指針の策定においても中心的な役割を果たしており、自身の立場からオンライン診療の制度設計などについてさらに解説する。
日本医学会連合の「オンライン診療に関する検討会議」の委員長でもある南学正臣氏は、昨年6月に発出した「オンライン診療の初診に関する提言」や同連合の取り組みを紹介する。四柳氏は「オンライン診療に適する疾患や治療薬、適さない疾患や注意を要する治療薬などについて、診療科横断的に紹介されるだろう」と述べた。
消化器領域の実践例を報告し、今後の活用法を探る
後半の4演題ではオンライン診療のツールや実践例を紹介し、将来的な展望を示す報告がなされる。オンライン医療事業を手がけている株式会社MICINの原聖吾氏は、オンライン診療サービス「curon(クロン)」の実用例などを紹介する。同サービスではスマートフォンやパソコン、タブレット端末によるオンラインでの診療予約、問診、診察、決済、医薬品の配送手続が行える。続く石橋史明氏も同サービスの臨床導入例の報告を予定しており、四柳氏は「豊富な内視鏡診療の経験をどのようにオンライン診療に生かしているのか明らかになるのではないか」と期待を寄せた。
心臓血管外科における救急治療において、医療関係者間コミュニケーションアプリ「JOIN」などの情報通信技術(ICT)を用いた後ろ向き研究に参画している内田大貴氏は、研究の概要および同領域における遠隔診療の可能性を提示する。沖英次氏は、遠隔地の患者に対するロボット手術(遠隔手術支援)の実施を想定した研究の成果を示すとともに、日本外科学会が今年6月に策定した『遠隔手術ガイドライン』に即した外科手術領域におけるオンライン診療の在り方を模索する報告を行う。
本セッションは消化器領域の専門医にとどまらない多彩な演者が一堂に会し、「オンライン診療」という旬の話題を取り上げる。四柳氏は「最新情報の報告や共有にとどまらず、消化器診療の未来像も描くことができればと考えている」と意気込みを示した。
図. 電話・オンライン診療についての説明用リーフレット
(厚生労働省公式サイト)
第65回 日本消化器病学会大会 | 会長 名越 澄子 埼玉医科大学総合医療センター 消化器・肝臓内科 |
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第106回 日本消化器内視鏡学会総会 | 会長 塩谷 昭子 川崎医科大学 消化器内科 |
第27回 日本肝臓学会大会 | 会長 島田 光生 徳島大学大学院 消化器・移植外科学 |
第21回 日本消化器外科学会大会 | 会長 大段 秀樹 広島大学大学院 消化器・移植外科学 |
第61回 日本消化器がん検診学会大会 | 会長 日山 亨 広島大学保健管理センター |