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11月4日

消化器領域における新たな診断モダリティー

2023年11月04日 06:15

96名の医師が参考になったと回答 

統合プログラム6(ワークショップ)

11月4日(土) 14:00〜17:00 第6会場(ポートピアホテル南館 大和田B)

[司会]

良沢 昭銘氏

埼玉医大国際医療センター・消化器内科

長谷川 潔氏

東京大・肝胆膵外科

炭山 和毅氏

東京慈恵会医大・内視鏡医学

[基調講演]

森 悠一氏

Clinical Effectiveness Research Group,
University of Oslo、昭和大横浜市北部病院・消化器センター

[演者]

柳 舜仁氏

川口市立医療センター・消化器外科

番場 嘉子氏

東京女子医大・消化器・一般外科

山村 健史氏

名古屋大・消化器内科

横田 拓也氏

都立多摩総合医療センター・消化器内科

Hongliang Chen氏

Second Affiliated Hospital of Harbin Medical University

藤本 将太氏

徳島大病院・消化器内科

牛久保 慧氏

昭和大江東豊洲病院・消化器センター

谷坂 優樹氏

埼玉医大国際医療センター・消化器内科

大山 広氏

千葉大大学院・消化器内科学、山梨県立中央病院・ゲノム解析センター

春日 良介氏

慶應義塾大・消化器内科

小松 周平氏

京都第一赤十字病院・消化器外科、京都府立医大・消化器外科

 近年、消化器病の領域では画像診断機器の精度が飛躍的に向上し、病変の早期発見や進展度診断に寄与している。人工知能(AI)の臨床応用も進み、消化器内視鏡については病変の検出から質的診断まで、リアルタイムの診断支援が可能になっている。外科領域でも三次元(3D)観察や蛍光色素を用いたリンパ節の視覚化、拡張現実(AR)・仮想現実(VR)技術を用いた放射線画像などが導入され、迅速で正確な治療方針の決定に役立っている。一方、分子生物学的解析や運動機能測定法、さらにはメタゲノム解析など、より疾患の本質に迫るような診断技術も開発されている。司会の良沢昭銘氏は本セッションの狙いについて「消化器領域における新たな診断モダリティーの現状を把握して今後を展望し、さらなる飛躍への機会としたい」と説明する。

消化器領域におけるAI活用の最前線が報告

 基調講演では、AIを用いた内視鏡診断において世界のトップランナーである森悠一氏がAI活用の現状と課題について展望する。良沢氏は「チャンピオンデータや画像が提示されると思うが、それを達成するための工夫や努力を学んでほしい」と呼びかける。

 続いて、外科手術におけるAI技術の応用に関し、国内の取り組みが紹介される。柳舜仁氏は、大腸手術における術中画像診断として①Mixed reality(MR)による3Dホログラム、②近赤外蛍光観察(IR)、③AIによる尿管・神経の視覚化―の使用経験を報告する。腫瘍位置や解剖の認識を補助して手術の低侵襲化・平易化を可能にするだけでなく、修練医の手術教育にも貢献するという。番場嘉子氏からは、大腸手術においてAI診断モデルと仮想空間における手術室シミュレーションを統合することで、Total Navigation Surgery(TNS)システムの展開が可能となるとの知見が示される。

短時間、低侵襲に行える高精度の診断モダリティーが続々

 山村健史氏は、画像強調内視鏡技術の1つであるlinked-color imaging(LCI)の大腸病変検出における有用性について報告する。横田拓也氏は、新型コロナウイルス感染症流行下の救命センターにおいて、緊急内視鏡症例に対して上部消化管用シングルユース内視鏡を導入し、感染対策を行った経験を紹介する。Hongliang Chen氏は、採血データを機械学習させて潰瘍性大腸炎のさまざまな臨床・病理学的重症度分類を予測させるAI解析法を開発しており、今回その有用性について発表する。藤本将太氏は、酵素活性型プローブや蛍光標識抗体などの分子特異的蛍光プローブを用いることで、大腸腫瘍の分子特性や治療効果などを内視鏡下にリアルタイムに診断できることを報告する。牛久保彗氏は、内視鏡的に胃内圧を連続的に測定し下部食道括約筋機能を評価する検査法であるEndoscopic pressure study integrated system(EPSIS)に焦点を当てる。胃内圧波形を評価することで、Reflux HypersensitivityとFunctional Heartburnの鑑別を短時間、低侵襲に行えるという。

肝胆膵領域からも興味深い知見

 肝胆膵領域からも興味深い知見が発表される。若手奨励賞を受賞した谷坂優樹氏は、経口胆道鏡直視下にプローブ型共焦点レーザー顕微内視鏡(probe-based confocal laser endomicroscopy;pCLE)を用いて胆道狭窄部の超拡大観察を行うことにより、リアルタイムに良悪性鑑別診断ができる可能性を示す()。大山広氏は、液状検体に対する分子バーコードを用いたリキッドバイオプシーに注目し、胆膵がんの早期診断での有用性を報告する。春日良介氏は、肝線維化評価における超音波エラストグラフィ測定値の炎症による影響について考察する。小松周平氏は、縦隔鏡下食道がん手術に際し、新たな術中診断技術である術中反回神経持続モニタリングシステムが反回神経麻痺予防につながるとの展望を示す。

図. pCLEで胆道狭窄の精査を行った症例

(谷坂優樹氏提供)

 良沢氏は「興味深い画像や動画が次々に示され、飽きる暇がない3時間になるだろう」と、多くの参加を呼びかけている。

第66回日本消化器病学会大会

[会長]坂本 直哉 
北海道大学大学院 消化器内科学

第108回日本消化器内視鏡学会総会

[会長]矢作 直久 
慶應義塾大学 腫瘍センター

第28回日本肝臓学会大会

[会長]四柳  宏 
東京大学医科学研究所先端医療研究センター感染症分野

第22回日本消化器外科学会大会

[会長]堀口 明彦 
藤田医科大学ばんたね病院 外科

第62回日本消化器がん検診学会大会

[会長]金岡  繁 
浜松医療センター 消化器内科

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