第63回日本心臓病学会レポート
末田章三氏がアセチルコリン負荷試験のこつを伝授
愛媛県立新居浜病院副院長・同院循環器科部長の末田章三氏は,冠攣縮性狭心症の診断技術能の向上に向け,わが国で開発されたアセチルコリン(ACh)負荷試験を行う際の大要として,感受性が低いケースも認めるため投与量の見直が必要,可能であればエルゴノビン(ER)も...
「新世界」切り開くNOAC,「実社会」で注意すべき点とは
心房細動による心原性脳塞栓症の予防にはワルファリンが長年使われてきたが,近年登場した非ビタミンK阻害経口抗凝固薬(NOAC)に主役が移りつつある。立川病院(東京都)病院長の三田村秀雄氏は,第63回日本心臓病学会学術集会(2015年9月18~20日,会長=東京医科大学循環器内科学分野主任教授・山科章氏)で「NOACによる抗凝固の新世界と実社会」と題して...
発見者Brugada氏が解説,心臓突然死を招くブルガダ症候群
心臓突然死の原因の1つであるブルガダ症候群は,特異的な心電図(ECG)波形を示すが,心臓に構造的な異常が認められないという特徴を有する。自然発生のcoved型ST上昇は悪性心室性不整脈と心臓突然死のマーカーであり,無症状の症例の突然死を予防することが重要である。同症候群に関する過去20年余りの研究成果について発見者であるベルギー...
糖尿病合併心不全に対するSGLT2阻害薬が,心不全病態への好影響示す
心不全患者が糖尿病を合併していることは少なくないが,こうした患者に対してどのような糖尿病治療法が好ましいのかについてはまだよく分かっていない。三重大学病院循環器内科講師の土肥薫氏らは,SGLT2阻害薬の利尿効果に着目し,2型糖尿病合併慢性心不全患者に同薬を短期間投与。尿量増加に伴い,尿中ナトリウム排泄量も増加傾向が見られ...
5分お時間をいただきます」MRにプレゼン法を指南
製薬企業の医薬情報担当者(MR)が,限られた時間で医師に医薬品情報を確実に伝えるには,簡潔で的を射たプレゼンテーション(以下,プレゼン)が求められる。東京医科大学循環器内科学分野講師(同大学先進的心不全治療医学講座主席研究員・部門長)の渡邉雅貴氏は,情報を取捨選択し...
ACS患者に対する第二世代DESは,血栓の付着少なく血管内皮機能も良好
安定狭心症に対しては第一世代の薬剤溶出ステント(DES)に比べて第二世代DESで血管内皮機能障害が少ないことが報告されているが,急性冠症候群(ACS)ではどうなのか。久留米大学病院循環器病センター教授の上野高史氏らの研究グループは...
血管内皮機能と血小板凝集能の観点から検討必要/PCI後の抗血小板療法
血管内皮機能障害は血小板機能障害と関連することから,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を行った冠動脈疾患(CAD)患者に対する抗血小板療法は血管内皮機能と血小板凝集能の観点から検討していく必要がある。熊本大学循環器内科学准教授の掃本誠治氏は第63回日本心臓病学会学術集会(9月18〜20日,東京医科大学循環器内科...
数多い循環器系学会をどうする? 5学会代表者が討論/第63回日本心臓病学会
循環器系学会は医療の高度化・専門分化とともに増え続け,今では関連学会を含めると30以上ともいわれるが,近年はそのデメリットも指摘されるようになってきた。第63回日本心臓病学会学術集会(2015年9月18~20日,会長=東京医科大学循環器内科学分野主任教授・山科章氏)では,この問題が学会として初めて取り上げられ,特別企画とし...
心不全へのASV使用,"中枢性睡眠時無呼吸には慎重に"/第63回日本心臓病学会
中枢性睡眠時無呼吸を伴うチェーンストークス呼吸(CSR-CSA)を合併する慢性心不全(CHF)患者において,予後改善効果が期待されていたAdaptive servo ventilation(ASV)。しかし,ASV使用により死亡リスクが上昇したとする第Ⅳ相試験SERVE-HFの最終解析結果が報告された(関連記事)。これを受け,順天堂大学大学院心血管睡眠呼吸...
第63回日本心臓病学会会長・山科章氏に聞く"臨床心臓病学の輪"/いまさら聞けない必須情報から最先端の研究成果まで
9月18~20日に第63回日本心臓病学会学術集会が横浜市で開かれる。心疾患は日本人の死因として,がんに次いで多いことから,治療および再発の予防に向け医師をはじめ多職種による連携強化が求められている。同学術集会会長の山科章氏(東京医科大学循環器内科学分野主任教授)は,その思いをメーンテーマ「広げよう臨床心臓病学の輪」に...