第58回日本糖尿病学会年次学術集会レポート
第58回日本糖尿病学会・谷澤幸生会長に聞く見どころ/歴史が変わる地・下関で糖尿病学は新たなステージへ
5月21~24日の4日間,第58回日本糖尿病学会年次学術集会が山口県下関市を中心とする関門地区で開催される。山口大学病態制御内科学分野教授であり,今学術集会の会長を務める谷澤幸生氏に,メインテーマ「糖尿病学の進化と深化~サイエンスとヒューマニティーの融合~」に込めた思いや注目セッションなどについて...
日本糖尿病学会,全共同発表者のCOIを開示へ/第58回日本糖尿病学会年次学術集会・理事長声明
日本糖尿病学会理事長の門脇孝氏は,同学会が定める「会員の研究活動に係る倫理行動規範」における利益相反(COI)の開示方式について,現行の筆頭発表者のみの開示から,同学会の会員・非会員を問わず共同発表者全員に求めることを決めたと第58回学術集会の理事長声明の中で発表した。今年(2015年)4月に施行された...
SGLT2阻害薬投与開始時,インスリンは20~30%減量を/第58回日本糖尿病学会年次学術集会・シンポジウム
インスリン投与中の糖尿病患者にSGLT2阻害薬を追加投与すると重症低血糖を起こす可能性がある。このため,インスリンをあらかじめ減量することが求められているが,具体的な減量レベルは示されていない。北海道大学大学院免疫・代謝内科学診療准教授の三好秀明氏は,これまでの海外の報告や同氏らの施設での検討結果を踏まえ...
細胞膜透過性ペプチド用いた経口インスリンデリバリーシステム/安全に腸管への吸収を促進
発見当初からインスリンの非注射剤の開発は検討されてきたが,容易ではなかった。神戸学院大学薬学部・薬物送達システム学研究室教授の武田真莉子氏らが開発した細胞膜透過ペプチド(CPPs)を用いた経口インスリンデリバリーシステムにより腸管吸収を安全に促進できることが第58回日本糖尿病学会年次学術集会...
決着つくか?!「SU薬は過去の薬か」でディベート/第58回日本糖尿病学会
現在7種類の経口血糖降下薬がある中で,使用経験が最も長いが低血糖のリスクが問題となるスルホニル尿素(SU)使用をめぐり,使用を是とする信州大学糖尿病・内分泌代謝内科教授の駒津光久氏と,否とする東邦大学内科学講座糖尿病・代謝・内分泌学分野教授の弘世貴久氏が,第58回日本糖尿病学会年次学術集会...
「SGLT2阻害薬は糖尿病治療の主役になりうるか」でディベート/副作用を予測・回避できるかで相対する見方
SGLT2阻害薬は,既存の血糖降下薬とは全く異なる作用機序により,インスリン非依存性の血糖降下作用をもたらす。体重減少,血圧改善などの多面的作用を併せ持つことからも,大きな期待を持って迎えられた。実際,欧米ではDPP-4阻害薬を凌駕する勢いで処方例が増えている。ところがわが国では,実臨床での使用頻度が低い状態が...