多職種で取り組むCKD重症化予防
学会レポート
腎臓病療養指導士が来年(2018年)誕生する。1,300万人といわれる慢性腎臓病(CKD)患者に医師だけで対応するのは困難で、多職種が連携してCKDの重症化予防に取り組む必要があるが、同指導士にはチーム医療の連携役としての役割が期待されている。第60回日本腎臓学会(JSN 2017、5月26〜28日)のシンポジウム「CKD重症化予防と多職種連携体制の構築」において、筑波大学腎臓内科学准教授の斎藤知栄氏は、腎臓病療養指導士の誕生で活性化が期待される多職種によるCKD対策の意義や取り組みを紹介した...
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震災による避難の長期化でCKD発症リスク1.5倍
学会レポート
第60回日本腎臓学会(JSN 2017、5月26~28日)において、東日本大震災による長期的な避難生活が慢性腎臓病(CKD)の新規発症の独立したリスク因子になる可能性が示された。報告した福島県立医科大学腎臓高血圧内科准教授の林義満氏らによると、避難区域の住民におけるCKD発症率は、避難区域外の被災住民に比べ、約1.5倍高いことが分かったという...
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ESA低反応性では腎予後も不良に
学会レポート
慢性腎臓病(CKD)患者の貧血管理において、大量の赤血球造血刺激因子製剤(ESA)を投与しても目標のヘモグロビン(Hb)値に到達しないESA低反応性への対応が課題となっている。九州大学大学院包括的腎不全治療学教授の鶴屋和彦氏は、第60回日本腎臓学会(JSN 2017、5月26~28日)のシンポジウム「腎代替療法へのスムーズな移行とより良好な予後のために」(日本透析医学会合同企画)に登壇、ESA低反応性の症例では全死亡、主要心血管イベント(MACE)のリスクが高いだけでなく、腎予後も不良であることを明らかにした...
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保存期CKDの腎性貧血治療薬
学会レポート
海外での大規模臨床試験の結果から、保存期慢性腎臓病(CKD)患者におけるヘモグロビン(Hb)濃度13g/dL以上の維持が、心血管疾患(CVD)の発症リスクを増加させる懸念が浮上し、論議を呼んでいる。では、日本人CKD患者の腎性貧血に対する赤血球造血刺激因子製剤(ESA)長期使用下における安全性と有効性に影響を及ぼす要因は何か、CVDの発症状況はどうか。東京大学腎臓・内分泌内科の田中哲洋氏らは、こうした課題を検証すべく、持続型ESA/ダルベポエチンアルファ(DA)の特定使用成績調査DREAM-J※を実施し、解析結果を第60回日本腎臓学会(JSN 2017、5月26〜28日)で報告した...
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糖尿病性腎症早期に腎イベントは予測可能か
学会レポート
金沢大学大学院腎臓内科学教授の和田隆志氏は、第60回日本腎臓学会(JSN 2017、5月26~28日)のシンポジウム「糖尿病性腎症の診療の進歩(日本糖尿病学会との合同企画)」で、「糖尿病性腎症の早期に認められる特徴的な糸球体病理所見により腎イベントが予測可能」と発表した...
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CKDの国際コンソーシアムとは
学会レポート
慢性腎臓病(CKD)の国際コンソーシアムであるCKD Prognosis Consortium(CKD-PC)の委員に名を連ねる米・Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health准教授の松下邦洋氏は、第60回日本腎臓学会(JSN 2017、5月26~28日)において、CKD-PCの設立の経緯や運営システムについて解説するとともに、研究の成果や現状を報告した...
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腎臓専門医への患者紹介のタイミング
学会レポート
腎臓専門医への患者紹介のタイミングは、ガイドライン(GL)に記載されている「透析導入が必要となる6カ月以上前」が妥当か否かー。大阪急性期・総合医療センター腎臓・高血圧内科主任部長の林晃正氏は、第60回日本腎臓学会(JSN 2017、5月26~28日)のシンポジウム「腎代替療法へのスムーズな移行とより良好な予後のために」(日本透析医学会合同企画)で、2件のコホート研究の結果を報告した...
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高尿酸血症治療で腎機能を保持できるか
学会レポート
高尿酸血症の治療は腎機能の保持にも有効か―。介入試験による世界初のエビデンス確立を目指して行われたFEATHER studyの結果の概要がまとまり、東京慈恵会医科大学慢性腎臓病病態治療学教授の細谷龍男氏が第60回日本腎臓学会(JSN 2017、5月26〜28日)で発表した。臨床上の未解決課題である無症候性高尿酸血症の治療を考える上で、貴重な研究成果といえそうだ...
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腎臓病の撲滅へ「仙台宣言」発表
学会レポート
世界の英知を集結させ、腎臓病の撲滅へー。本日(5月26日)仙台市で開幕した第60回日本腎臓学会(JSN 2017、5月26〜28日)で、同学会と国際腎臓学会(ISN)が腎臓病の撲滅を目指す「仙台宣言」を発表した...
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400例でも"大規模"臨床試験
編集こぼれ話
杜の都・仙台で開催された第60回日本腎臓学会(JSN 2017)の話題をレポート中ですが、その1つとして日本で行われたFEATHER studyの結果概要を紹介しました。 この試験は、慢性腎臓病(CKD)を合併する無症候性高尿酸血症患者400例超を約2年間追跡し、高尿酸血症の治療が腎機能の保持に有効かどうかを検証した世界に類のない介入試験です。世界に類のないというのは、高尿酸血症の領域では、プラセボ対照でこれほどの症例数と追跡期間の介入試験は海外にも存在しないという意味です。数千例は当たり前、万余の症例数も珍しくない循環器・糖尿病などの領域とは様相が異なり、この領域では"大規模"と言えるのです...
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