カテーテルvs.手術、低リスクでは?
米・Baylor Scott and White HealthのMichael J. Mack氏らが、外科手術による死亡のリスクが低い重度の大動脈弁狭窄症の患者を対象に経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)と外科的大動脈弁置換術の有効性を比較したPARTNER 3試験の結果を第68回米国心臓病学会(ACC 2019、3月16~18日、ニューオーリンズ)で発表した。中~高リスク患者では両者に差はないことが知られているが、今回の低リスク患者ではTAVRの方が1年死亡、脳卒中、再入院の複合リスクを有意に低下させた。結果はN Engl J Med(2019年3月17日オンライン版)に同時掲載された。
心停止後の冠動脈造影、即時と遅延で差なし
オランダ・Amsterdam University Medical CenterのJorrit S. Lemkes氏らは、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)でない院外心停止患者を対象に、冠動脈造影と必要に応じた経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を蘇生後に即時に行うケースと神経学的回復後に行うケースをオープンラベル多施設ランダム化比較試験Coronary Angiography after Cardiac Arrest(COACT)で比較検討。その結果、90日生存率に関して両者に有意差はなかったと第68回米国心臓病学会(ACC 2019、3月16〜18日、ニューオーリンズ)で発表した。結果はN Engl J Med(2019年3月18日オンライン版)に同時掲載された。
超音波腎デナベーション、効果は6カ月持続
フランス・Université Paris-DescartesのMichel Azizi氏らが、血管内超音波を用いた腎デナベーション(RDN)の降圧効果を検討した二重盲検シャム対照ランダム化比較試験RADIANCE-HTN SOLOの追跡6カ月時点の結果を第68回米国心臓病学会(ACC 2019、3月16~18日、ニューオーリンズ)で発表した。超音波RDN群では降圧効果が6カ月後も持続し、シャム群に比べて降圧薬治療を必要とした患者の割合および降圧薬の使用量が少なかった。結果はCirculation(2019年3月17日オンライン版)に同時掲載された。
スマートウォッチで心房細動を検出
不規則な心拍を通知するアルゴリズムが組み込まれたスマートウオッチ用のアプリ「Apple Heart Study App」は、心房細動(AF)を正確に同定して通知し、被通知者の医療機関への受診に結び付く可能性があることが、米・Apple社と米・University of Stanfordが共同で行った非盲検前向き単群試験Apple Heart Studyで示された。同大学のMintu Turakhia氏とMarco Perez氏が、第68回米国心臓病学会(ACC 2019、3月16〜18日、ニューオリンズ)で報告した。
心房細動の抗血栓療法、4レジメンで比較
AUGUSTUSは、急性冠症候群(ACS)を発症または経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行され、P2Y12阻害薬の投与が予定されている心房細動(AF)患者を対象に、アピキサバン vs. ビタミンK拮抗薬(VKA)、さらにアスピリン追加 vs. プラセボ追加の安全性を評価する2×2ファクトリアルデザインのランダム化比較試験。米・Duke Clinical Research InstituteのRenato D. Lopes氏らは、主要評価項目の大出血/臨床的に重要な非大出血の発現に関してアピキサバンがVKAに対し非劣性であること、またアスピリンを加えた抗血小板薬2剤療法(抗凝固薬+P2Y12阻害薬+アスピリン)に対する抗血小板単剤療法(抗凝固薬+P2Y12阻害薬)の優越性が同試験で示されたと、第68回米国心臓病学会(ACC 2019、3月16〜18日、ニューオーリンズ)で報告した。
インフルワクチンは心疾患の予防薬
毎年インフルエンザワクチンを接種する意義は、感染予防以外にもあるようだ。米・Icahn School of Medicine at Mount Sinai St. Luke's and Mount Sinai WestのMariam Khandaker氏らが約3,000万例の入院記録を調査したところ、入院中に同ワクチンの予防接種を受けた患者は、受けなかった患者に比べて1年間の心筋梗塞(MI)の発症リスクが10%低減することが分かった。詳細は3月16~18日に開かれる第68回米国心臓病学会(ACC 2019)で発表される予定。