学びと交流を通じ、さらなる日本のプレゼンス向上を

　日本の消化器外科学は、手術後に毎回振り返りを行い、手技の向上を目指して工夫を重ねるといった切磋琢磨を繰り返すことで、今日まで進歩してきました。本会のテーマ「消化器外科の進歩を目指して」には、消化器外科医が常々掲げている「進歩」への思いを込めました。

　近年、消化器外科学の領域では日進月歩で技術革新が進み、治療選択肢が格段に広がっています。胃、食道、直腸がんに保険適用されたロボット支援下内視鏡手術は最もタイムリーなトピックであり、本会の海外招待講演でも全6演題のうち4演題を占めています。ワークショップでは、分子標的薬など薬物療法の進展とともに新たな治療戦略として注目されるコンバージョン手術や、3D画像、蛍光イメージングなどのテクノロジーを駆使したナビゲーション手術をはじめ、最新の知見が得られる企画を設けました。他にも、高齢者に対する手術適応や術式選択は高齢化が進む日本において重要なテーマであり、統合プログラムやパネルディスカッションなどで活発な議論が交わされることを期待しています。

　日本の消化器外科学は世界でも高い水準にありますが、本会ではそのプレゼンスをさらに向上させるべく、シンポジウムをInternational Sessionに組み込み、パネルディスカッション以外の発表は英語を必須条件とするなど、国際化を推進しています。

　5学会が集うJDDW 2020は、消化器外科領域にとどまらず、消化器病学全般を短期間に集中して効率良く学べる貴重な場です。JDDWという、かけがえのない学びと交流の機会を最大限にご活用いただければと思います。