囊胞性腎疾患5種類の特徴と違い
囊胞性腎疾患(PKD)の原因はさまざまであるが、遺伝子異常が関連するPKDの報告も多い。兵庫県立こども病院臨床遺伝科科長で神戸大学小児科客員准教授の森貞直哉氏は、第64回日本腎臓学会(6月18〜20日、ウェブ併催)でPKD診療における遺伝子解析の現状について講演。次世代シークエンサー(NGS)パネルを用いた遺伝子解析で判明したPKD 5種類の臨床的特徴や違いについて...
CKD保存期の高尿酸血症薬で低死亡リスク
藤田医科大学腎臓内科の吉田浩之氏は、第64回日本腎臓学会(6月18~20日、ウェブ併催)で、愛知県内の慢性腎臓病(CKD)保存期患者を対象に行った高尿酸血症薬の投与と透析導入後の予後との関連を検証した研究結果を発表。CKD保存期患者に対する新しいタイプの尿酸生成抑制薬であるフェブキソスタットやトピロキソスタットによる治療は...
保存期CKDの貧血管理状況は十分か?
慢性腎臓病(CKD)患者では、血中エリスロポエチン(EPO)濃度の低下に加え、鉄欠乏、炎症、尿毒症物質の蓄積などによって貧血を来しやすい。治療としては従来、赤血球増血刺激因子製剤(ESA)が用いられるが、高用量の使用による心血管毒性が報告され、ESA低反応性も新たな課題となっている。しかし、日本の保存期CKD患者におけるESA反応性や貧血管理状況に関する疫学調査成績は乏しい。...
アルブミン尿と脳萎縮・大脳白質病変が関連
わが国は超高齢社会を迎え、急増する認知症が大きな問題となっている。また、アルブミン尿および推算糸球体濾過量(eGFR)の低下を特徴とする慢性腎臓病(CKD)は加齢とともに増加し、認知症との関連が示唆されている。九州大学大学院衛生・公衆衛生学分野の山﨑景介氏らは、地域高齢者を対象に検討を行い、「アルブミン尿の増加は脳萎縮および大脳白質病変と関連していた」と...
新薬登場でリン管理が大きく改善する可能性も
血液透析患者における高リン血症は、心血管疾患、死亡リスクの上昇に関連することから血中リン濃度の管理が重要となる。ほぼ全ての患者でリン吸着薬による治療が必要となるが、1錠当たりの効果は限定的で、錠数が多くなるため患者の負担が増すことから新薬の登場が待ち望まれている。東海大学腎内分泌代謝内科准教授の駒場大峰氏は...
非糖尿病CKDの腎予後予測にAlbが有用
慢性腎臓病(CKD)患者は並存疾患や栄養摂取制限、食思不振、代謝異常などさまざまな要因から低栄養になりやすいことが知られている。近年、高齢者の栄養指標として登場したGNRI(Geriatric Nutritional Risk Index)が心不全患者や透析患者でも有用と報告されているが、非糖尿病CKD患者における有用な栄養状態の指標についてまだ明確なものはない。第64回日本腎臓学会(6月18〜20日、ウェブ併催)において名古屋大学腎臓内科の立枩(たてまつ)良崇氏らは、非糖尿病進行期CKD患者における腎予後予測因子として血清アルブミン(Alb)が...
HIF-PH阻害薬の最適な対象患者とは?
近年、腎性貧血の治療においては、従来の赤血球造血刺激因子製剤(ESA)とは異なる作用機序を有する経口の低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PH)阻害薬が承認され、変革期を迎えている。治療選択肢が広がった今、ESAとHIF-PH阻害薬をどのように使い分けるべきか。昭和大学内科学講座腎臓内科学部門主任教授の本田浩一氏は、...
SGLT2阻害薬が貧血の発生頻度の低下に関連
SGLT2阻害薬は、全死亡や心血管死などのリスクを低下させることが複数の臨床試験で示されているが、近年、同薬によりヘモグロビン(Hb)値が上昇したことを示す研究結果も報告されている。名古屋市立大学大学院腎臓内科学の村島美穂氏は、実臨床における腎機能低下例や悪性腫瘍などの合併例を含む幅広い糖尿病患者で、SGLT2阻害薬の使用はHb値の上昇と貧血の発生頻度の低下に関連していたとする...