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欧州心臓病学会(ESC 2021)

降圧薬4種の配合剤、ARB単剤より有効

 1錠に4種類の降圧薬が標準用量の4分の1ずつ配合されたquadpillと、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB、イルベサルタン)標準用量による単剤治療を比較した第Ⅲ相ランダム化比較試験(RCT)QUARTET※の結果が明らかになった。同試験では、高血圧患者の初期治療における降圧効果はイルベサルタン単剤と比べてquadpillで有意に優れていることが示された。オーストラリア・University of SydneyのClara K. Chow氏らが...

心停止後の冠動脈造影、"即時"に有用性なし

 ドイツ・University of Leipzig, StrümpellstrのSteffen Desch氏らは、ドイツとデンマークで非ST上昇型心筋梗塞(非STEMI)による院外心停止後に蘇生した患者を対象に、即時冠動脈造影の有用性を検証する国際多施設共同非盲検ランダム化比較試験(TOMAHAWK試験)を実施した。その結果、主要評価項目である30日後の全死亡は即時造影群と遅延造影群で有意差はなく、副次評価項目の30日後の全死亡または重度の神経障害については即時造影群で多く発生し、即時冠動脈造影の有用性は確認されなかったと...

ESC心不全ガイドラインが改訂

 欧州心臓病学会(ESC)は急性/慢性心不全の診断・治療ガイドライン(GL)を5年ぶりに改訂し、年次学術集会(ESC 2021、8月27~30日、ウェブ開催)で発表した。今回の改訂では、左室駆出率(LVEF)が40%以下の心不全(HFrEF)の新しい治療アルゴリズムが示され、推奨クラス1の治療薬として、SGLT2阻害薬であるダパグリフロジンとエンパグリフロジンが追加された。また、LVEFが41〜49%の心不全(HFmrEF)の診断に関して、LVEF以外の基準であったナトリウム利尿ペプチドの上昇やその他の構造的心疾患が必須基準から除外された他、HFmrEFの定義、診断基準にも変更...

高齢者の降圧目標めぐる論争に決着

 高齢者高血圧の降圧目標をめぐるガイドライン(GL)間の混乱に終止符を打つか―。中国・Fu Wai Hospital/Peking Union Medical CollegeのJun Cai氏らは、中国人高齢高血圧患者8,500例超を対象に、心血管(CV)リスク軽減のための至適降圧目標を検証すべく、多施設ランダム化比較試験(RCT)STEP 1)を実施。診察室血圧(OBP)で収縮期血圧(SBP)110~130mmHg未満を目指した厳格降圧群では、130~150mmHg未満を目指した標準降圧群に比べて、主要評価項目であるCVイベントのリスクが26%有意に減少したと、欧州心臓病学会(ESC 2021、8月27日〜30日、ウェブ開催)で発表した。結果はN Engl J Med (2021年8月30日オンライン版)に同時掲載された。2015年に発表された米国主導のSPRINT試験(Final Report:N Engl J Med 2021; 384: 1921-1930)を追認する成績であり、高齢者高血圧に対する「患者が忍容できれば積極的に降圧を図る」流れが加速...

代替塩で脳卒中が有意に抑制

 塩分の摂取過多は、高血圧やその後の脳卒中リスクを高めることが懸念される。オーストラリア・George Institute for Global HealthのBruce Neal氏は、脳卒中の高リスク集団に対し、代替塩による心血管イベントに及ぼす影響を検証するオープンクラスターランダム化比較試験(RCT)SSaSSを実施。代替塩の使用により、脳卒中の有意な抑制効果が認められたと欧州心臓病学会(ESC 2021、8月27~30日、ウェブ開催)で報告した。なお、結果の詳細はN Engl J Med(2021年8月29日オンライン版)に同時掲載...

心筋梗塞後のインフルワクチンで転帰改善

 心筋梗塞(MI)または高リスク冠動脈疾患で入院した患者への早期インフルエンザワクチン接種は、12カ月後の転帰を有意に改善させることが国際多施設共同二重盲検ランダム化比較試験(RCT)IAMI trialにより明らかにされた。スウェーデン・Örebro University HospitalのOle Fröbert氏らが8カ国30施設で行った同試験の結果を欧州心臓病学会(ESC 2021、8月27~30日、ウェブ開催)で報告した。...

エンパグリフロジン、HFpEFで初の有効性示す

 心不全(HF)の中で、これまで有効性が確立された治療薬がなかった左室駆出率(LVEF)の保たれたHF(HFpEF)に、ようやく有望な結果が示された。ドイツ・Charité Universitätsmedizin BerlinのStefan D. Anker氏は、HFpEF患者を対象にSGLT2阻害薬エンパグリフロジンの有効性と安全性を検証した第Ⅲ相ランダム化比較試験EMPEROR-Preservedの結果を欧州心臓病学会(ESC 2021、8月27~30日、ウェブ開催)で発表。同薬の投与により、2型糖尿病既往の有無にかかわらず心...

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