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第29回 日本消化器関連学会週間(JDDW 2021)

理事長インタビュー

コロナ禍で変わる消化器医療、学会運営の在り方も検証

下瀬川 徹 氏
一般社団法人 日本消化器関連学会機構(Organization of JDDW)理事長
東北大学 名誉教授/みやぎ県南中核病院 企業長

―消化器病学の現状と、JDDW 2021の位置付けについてお聞かせください。

 昨年(2020年)来の新型コロナウイルス感染症(COVID-­19)の世界的流行は消化器医療に大きな影響を及ぼし、学会運営の在り方を再考するきっかけともなりました。そこでJDDW 2021では、COVID-­19を消化器病学においても重要なトピックと捉え、さまざまな企画で取り上げることとしました。特別講演では最前線で対応に当たられている地域医療機能推進機構理事長の尾身茂先生と国立感染症研究所所長の脇田隆字先生にご登壇いただき、COVID-19対策に関する日本の現状と課題ならびに将来展望をご解説いただきます。

 他にも、コロナ禍においての多職種連携をテーマとしたメディカルスタッフプログラムなど、複数のセッションでCOVID-19を取り上げます。特別講演では私も「コロナ/ポストコロナ時代におけるJDDWはどうあるべきか?」という演題で、学術集会でのオンライン活用の有用性や国際化推進の方向性など、今後の学会運営を展望する予定です。

―COVID-19関連以外にも、興味深いプログラムが組まれています。

 今回は初の取り組みとして、JDDWが独自に企画するハンズオンセミナーを実施します。消化管、胆膵、肝臓、外科の4パートに分け、初級者と中級者を対象に各学会から推薦されたコーディネーター、インストラクターが手技を直接指導します。JDDWの学術集会委員会内にハンズオン・ライブワーキンググループを設置し、各領域の専門家が議論を重ねて企画を考えました。学問的・教育的に意義のあるセミナーになると思いますので、若手の先生方にはぜひ積極的に参加してもらいたいと思います。

―その他の企画についてはいかがでしょうか。

 今年で21回目を迎える医療セミナーでは、新専門医制度をテーマに据えました。消化器病に関するサブスペシャルティ領域は未確定の部分も多いため、日本専門医機構理事長の寺本民生先生、日本内科学会専門医制度審議会会長で高知大学呼吸器・アレルギー内科学教授の横山彰仁先生をお招きし、新専門医制度の現状と課題について考えます。また女性医師・研究者プログラムでは、COVID-19流行に伴うオンライン化が女性医師のキャリア形成支援に果たす役割について議論します。

―昨年に続き、開催形態は実地とウェブ配信を組み合わせたハイブリッド形式が予定されています。

 昨年はCOVID-19の流行状況を見ながら検討を重ね、初めてハイブリッド形式で開催しました。心配もありましたが、多くの参加者から高い評価を頂くなど予想以上の成功を収めたと思います。一方、学術集会には参加者同士が現地で議論を交わし、親交を深め、若手には教育機会を提供するという役割もあります。今年は、昨年のハイブリッド形式の良い点を取り入れつつも、本来の学術集会に近い在り方が実現できればと考えています。ワクチンの接種率やインド型変異(デルタ)株の流行状況などを見定めながら、準備を進めています。

―最後に、参加者に向けてメッセージをお願いします。

 COVID-19の流行拡大が続いていますが、JDDWとしては今年も充実した学術集会にしたいと思います。多数の皆様のご参加をお待ちしています。

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