日本人のK排泄量は加齢により増加の傾向
滋賀医科大学NCD疫学研究センターの北岡かおり氏らは、NIPPON DATA2010の参加者を対象に2010年からの10年間における尿中ナトリウム(Na)およびカリウム(K)排泄量、Na/K比の変化を追跡、評価した。その結果、「10歳の加齢により日本人のK排泄量は増加、Na/K比は低下していた」と第29回国際高血圧学会(ISH 2022、10月12~16日)で報告した。ただし、世界保健機関(WHO)のK摂取推奨量には達していないという。...
ネット販売の血圧計、8割が精度不確か
自動血圧計のインターネット販売額は右肩上がりであり、いまや年間数十億米ドル規模の産業であるといわれる。では、その精度は信頼できるのか─。オーストラリア・Menzies Institute for Medical Research, University of TasmaniaのDean S. Picone氏らは、世界10カ国においてネット通販サイトAmazonで販売上位100位までの上腕・手首のカフ式自動・半自動血圧計について、適切な検定試験に合格し精度が検証済みか否かを調査。検証済みの血圧計は約20%にすぎず、約80%は精度が不確かなまま販売されているとの現状を明らかにした。この結果は、...
新規クラス降圧薬AGT siRNAの開発進む
高血圧や臓器障害の発症・進展に関わるレニン・アンジオテンシン系(RAS)の中で新規クラス降圧薬のターゲットとして、いま最も脚光を浴びているのが、カスケードの最上流に位置するアンジオテンシノーゲン(AGT)だ。オランダ・Erasmus Medical Center, Erasmus University Rotterdam のA.H. Jan Danser氏は、AGT合成を阻害する核酸医薬・AGT低分子干渉RNA(siRNA)の開発状況を、自験基礎データを中心に解説。AGT siRNAは年2回程度の皮下注射投与で効果が持続しコンプライアンスの問題克服が期待できること、降圧効果に加え組織RASの抑制に優れ、心・腎の臓器保護効果を示すことなどを、...
SBP変動性は長期心血管・腎転帰を強く予測
高リスク高血圧患者を対象に、当時比較的新規のCa拮抗薬であったアムロジピンベースの治療と、古典的なβ遮断薬であるアテノロールベースの治療による冠動脈疾患(CHD)初発予防効果を比較した大規模臨床試験ASCOT-BPLA ※。英・National Heart and Lung Institute/Imperial College LondonのPeter Sever氏は、同試験の英国人コホート8,580例を最長20年にわたり追跡したASCOT Legacy研究の解析から、試験期間中の収縮期血圧(SBP)の変動性は、平均SBPとは独立した長期の心血管(CV)および腎の転帰の主要な予測因子であり、平均SBPより予測能が高かったと、...
脂肪肝指数は虚血性心疾患の予測因子
防衛医科大学校免疫・微生物学講座の森和真氏、札幌医科大学循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座の田中希尚氏、教授の古橋眞人氏らの研究グループは、日本人の健康診断受診者を対象とした後ろ向きコホート研究により、ベースラインの脂肪肝指数(FLI)と10年間の虚血性心疾患(IHD)発症リスクとの関連について検討した結果を第44回日本高血圧学会(10月14~16日)で報告。FLI高値は、IHDの新規発症の独立した予測因子であることを明らかにした。...
降圧目標達成率が75歳から低下傾向に
神奈川県保険医協会の湯浅章平氏らは、2013年と2018年に開業医を対象に行った全国調査の結果を基に、糖尿病合併高血圧患者の降圧目標達成率の年齢による変化を検討した。その結果、降圧目標達成率は75歳を境に低下傾向に転じたことを第44回日本高血圧学会(10月14~16日)で報告した。...