多剤耐性菌対策にUV照射装置が高い効果
多剤耐性菌対策では、環境からの伝播を防ぐために環境清掃の徹底が重要である。従来の環境清掃は人手による清拭清掃のみであったが、近年は非接触型環境消毒の検証が進み、その効果が注目されている。第37回日本環境感染学会(6月16~18日)で山形大学病院感染制御部部長の森兼啓太氏は、非接触型環境消毒の中でも国内で導入が進む紫外線(UV)照射装置について、自施設での使用経験を含め、多剤耐性菌に対する効果を解説した。...
飛沫対策とエアロゾル対策は本質的に違う
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、従来にはなかった第四の感染経路「エアロゾル感染」の存在が強く示唆された。このためCOVID-19対策においては、飛沫対策とともにエアロゾル対策が必要だが、両者の違いについては必ずしも正しく理解されていない。順天堂大学大学院感染制御科学教授の堀賢氏は、第37回日本環境感染学会(6月16~18日)でCOVID-19対策における適切な換気について解説。飛沫対策とエアロゾル対策の本質的な違いへの正しい理解を求めた。...
ダニ媒介感染症増加中、鑑別法や予防法は?
近年、日本で患者数が増加傾向にある重症熱性血小板減少症候群(SFTS)やつつが虫病、日本紅斑熱はいずれもダニ媒介感染症であるが、ウイルスを病原体とするSFTSとリケッチアを病原体とするつつが虫病および日本紅斑熱との鑑別は困難な場合も多い。福井大学病院感染症・膠原病内科教授の岩﨑博道氏は、これらの特徴や鑑別ポイント、予防策などについて第37回日本環境感染学会(6月16~18日)で説明した。...
今読みたい感染制御領域の注目論文10選
日々学術誌に掲載される論文は無数に存在するが、自身の日常診療などに役立つ論文を的確に抽出することは難しい。藤田医科大学感染症科臨床教授の本田仁氏は、第37回日本環境感染学会(6月16~18日)で、2020~22年に掲載され、感染対策業務を実施する上で有用と思われる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連する論文などを10本紹介。それらのポイントを解説した。...