動脈硬化再発予防における薬物療法アップデート
今年(2022年)7月、『動脈硬化性疾患予防ガイドライン』が5年ぶりに改訂された(以下、2022年版GL)。順天堂大学循環器内科の大村寛敏氏は第54回日本動脈硬化学会(7月23~24日)で、2022年版GLに動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)再発(二次)予防における脂質管理目標値の管理区分にアテローム血栓性脳梗塞が追加された背景と、これらを達成するための薬物療法について説明した。...
糖尿病患者のLDL-C管理目標値改訂
今年(2022)年7月、『動脈硬化性疾患予防ガイドライン』(以下、2022年版GL)が5年ぶりに改訂された。第54回日本動脈硬化学会(7月23~24日)で、奈良県立医科大学病院臨床研究センター特任講師の平田匠氏は、糖尿病患者と耐糖能異常者の脂質管理について2022年版GLの改訂点を解説するとともに、LDLコレステロール(LDL-C)管理目標値が厳格化された背景を説明した。...
動脈硬化性疾患予防GL改訂、5つの要とは?
今年(2022年)7月、『動脈硬化性疾患予防ガイドライン』(以下、2022年版GL)が5年ぶりに改訂、2022年版が刊行された。第54回日本動脈硬化学会(7月23~24日)では、改訂ポイントを解説するシンポジウムが開催された。2022年版GL作成委員の統括委員長で慶應義塾大学衛生学公衆衛生学教授の岡村智教氏は、今回の主な5つの変更点を解説し、執筆協力委員で九州大学衛生・公衆衛生学分野の本田貴紀氏は、脂質管理目標設定のための動脈硬化性疾患の絶対リスク評価手法として開発された「久山町スコア」を説明。動脈硬化リスクの包括的な管理を行うことで、...
FH患者でも安全な妊娠・出産は可能
女性家族性高コレステロール血症(FH)患者の妊娠・出産は、妊娠時にはスタチンが禁忌となる上、脂質代謝が動脈硬化促進的に変化する点から、安全な周産期管理が難しいといわれている。第54回日本動脈硬化学会(7月23~24日)で奈良県立医科大学総合診療科診療助教の松原正樹氏は綿密な治療計画が奏功した自験例を報告し、千葉大学大学院総合医科学講座特任准教授の小倉正恒氏は妊娠・出産を希望するFH患者の治療におけるポイントを解説。両氏は患者との日常的なコミュニケーションや他診療科との連携で対処すれば「安全な妊娠・出産は可能である」と述べた。...
FHアキレス腱肥厚の診断ポイント
国内における家族性高コレステロール血症(FH)患者は200~300人に1人と推定され、早期発見・早期介入が課題となっている。FHをLDL-C値のみで鑑別することは難しいため、特異的かつ出現頻度の高いアキレス腱黄色腫の診断が重要なポイントとなる。石川県立中央病院遺伝診療科診療部長の野原淳氏は、5年ぶりの改訂となった『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版』(以下、GL2022)における成人FHのアキレス腱黄色腫の診断ポイントについて第54回日本動脈硬化学会(7月23~24日)で解説。遺伝子診断の活用についても紹介した。...
夏に注意!プラークびらん患者の特徴とは?
近年、光干渉断層法(OCT)をはじめとする血管内イメージング技術の進歩により、日常臨床において急性冠症候群(ACS)の病変が詳細に観察できるようになった。これにより従来は困難だったプラークびらんの診断が可能となり、注目が高まっている。北里大学循環器内科学講座の南尚賢氏は、夏季に多発するプラークびらん患者の臨床的特徴について第54回日本動脈硬化学会(7月23日~24日)で解説。ACS患者への個別化医療の可能性についても展望した。...
小児FHガイドライン、見落とし防止策を新設
家族性高コレステロール血症(FH)は、小児期から粥状動脈硬化が進行するため、早期発見、早期治療を行うことが重要とされる。山梨大学小児科の土橋一重氏は第54回日本動脈硬化学会(7月23~24日)で、5年ぶりに改訂された『小児家族性高コレステロール血症診療ガイドライン2022』(以下、改訂版)における小児FHの診断基準の変更点などを紹介。改訂版では見落としを防ぐため「FH疑い」の項目を新設し、早期から疑い例も含めて積極的にフォローしていく指針を示したと述べた。...