透析見合わせの意思決定体制、4割が未確立
日本透析医学会は2020年、腎不全患者を対象とした「透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言」を公表した。提言では、透析継続を見合わせる過程で不可欠となるアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の重要性や共同意思決定(SDM)のプロセスなどが示されている。川島病院(徳島県)腎臓内科主任部長の岡田一義氏は、透析治療を実施している全国の医療施設を対象に、同学会が2021年に実施した透析見合わせなどに関する調査結果を第67回日本透析医学会(7月1~3日)で発表。ACPやSDMの実施体制が未確立である施設が約4割に上るなどの実態が浮かび上がった...
CKD、透析患者の便秘に有効な一手とは
慢性腎臓病(CKD)患者や透析患者は便秘を来しやすく、治療に難渋することが少なくない。原三信病院(福岡市)腎臓内科部長の満生浩司氏は、第67回日本透析医学会(7月1~3日)で、CKD患者および透析患者の便秘治療における3剤(上皮機能変容薬のルビプロストンとリナクロチド、胆汁酸トランスポーター阻害薬のエロビキシバット)の有効性を概説した。...
高齢腎不全の透析見合わせ・中断に指針
医療の進歩と高齢化に伴い、高齢腎不全患者の終末期医療で医療者が直面する透析見合わせ(非導入)や中断といった問題は、深刻さが増している。今年(2022年)6月に発刊された『高齢腎不全患者のための保存的腎臓療法』は、こうした問題に焦点を当てたガイドラインである。東邦大学医療センター大森病院副院長の酒井謙氏は、発刊までの経緯と保存的腎臓療法(conservative kidney management;CKM)の実態について、第67回日本透析医学会(7月1~3日)で概説した。なお、CKMとは透析非導入/中断という選択において実施される包括的なケアを指す。...
透析の穿刺痛緩和に針の加温が有効
血液透析患者の多くが苦痛を抱く穿刺痛は、解決すべき課題の1つである。住友別子病院(愛媛県)診療部臨床工学室の伊藤綾香氏らは、同院の維持透析患者を対象に、常温または加温の穿刺針を用いて、穿刺時の痛みを比較する試験を実施。その結果、常温針に比べ加温針の使用により穿刺時の痛みが緩和されたと、第67回日本透析医学会(7月1日~3日)で発表した。...
透析医療を持続可能にするために
第67回日本透析医学会学術集会・総会が7月1日~3日、横浜市で開催される。同学会は3年ぶりの現地開催となる。今回のテーマは"透析医療のSDGsを求めて"。会長を務める東京女子医科大学特任教授の土谷健氏はMedical Tribuneウェブのインタビューに応え、「ぜひとも現地に集まって情報を共有、議論を交わし、持続可能な透析医療の在り方を一緒に考えたい」と熱い思いを語った。(6月13日取材)...