ピロリ除菌後の胃がん再発に細菌叢が関与?
Helicobacter pylori(H. pylori)除菌療法(以下、除菌)は胃がんの発症や再発を抑制するが、完全に予防できるわけではない。近年、胃の細菌叢の異常(dysbiosis)が胃がん発症に関与する可能性が示唆されているが、dysbiosisは人種や生活習慣により大きく異なるため、日本人を対象とした検討が必要である。大阪市立大学大学院先端予防医療学教授の渡邉俊雄氏は、除菌前後のdysbiosisに関する自施設データを...
英語論文をうまく書くコツとは?
医療の発展につながるクリニカルクエスチョンは日常診療の中に多く発見されるが、それを開かれた議論の場に持ち込むには英語論文の発表が最良の手段である。名古屋大学大学院消化器外科学(第二外科)講師の神田光郎氏は、若手医師が英語論文を執筆する意義や手法について、自身の経験も踏まえて第94回日本胃癌学会(3月2〜4日、ウェブ併催)で解説...
早期胃がん内視鏡治療、適応拡大の根拠を解説
早期胃がんへの低侵襲治療である内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)。従来、未分化型の早期胃がんに対しては適応とされていなかったが、昨年(2021年)改訂された『胃癌治療ガイドライン 医師用 2021年7月改訂 第6版』において、腫瘍径2cm以下で潰瘍がない(UL0)未分化型の粘膜内がん(cT1a)に対して適応が拡大された(関連記事「早期胃がんに対するESD/EMR」)。適応拡大の根拠となった非ランダム化検証的試験JCOG1009/1010で研究事務局を務めた記念塔病院(札幌市)消化器内科診療部長/内視鏡センターセンター長の...
腹腔鏡下幽門側胃切除術GL変更促す結果、5年RFSで非劣性
胃がんに対する腹腔鏡下幽門速胃切除術は1991年に日本で開発され、早期胃がんに対しては標準療法として推奨されている一方、進行胃がんに関するエビデンスは十分ではなかった。国内第Ⅱ/Ⅲ相ランダム化比較試験(RCT)JLSSG0901では、進行胃がんに対する腹腔鏡下幽門側胃切除術の安全性と根治性を国際的標準治療である開腹手術を対照に比較。第94回日本胃癌学会(3月2〜4日、ウェブ併催)で大分大学消化器・小児外科講座准教授の衛藤剛氏らは、同試験の主要評価項目である5年無再発生存(RFS)の成績を初めて...
【会長インタビュー】「磨斧作針」、次の世代に向けて熱い討議を!
第94回日本胃癌学会総会は、テーマを「磨斧作針(まふさくしん)」として、3月2~4日に開催される。昨年の第93回総会は完全ウェブ開催であったが、第94回は登壇者、参加者がいずれも現地(横浜市)参加またはライブ配信視聴を選択できるハイブリッド形式となった。第94回総会に懸ける思いについて、会長で横浜市立大学市民総合医療センター消化器外科教授(消化器病センター部長)の國崎主税氏に聞いた。...