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第95回日本整形外科学会

骨転移を早期に発見するスキル

 がんの骨転移はかつて治療する適応に乏しい終末期とされていたが、現在ではステージⅣながら数年以上の生存が期待できる症例も少なくないことから、治療すべき病態と考えられるようになった。しかし、骨転移は早期発見がQOLや余命を左右する鍵であるにもかかわらず、開業医や一般の整形外科外来では見逃されがちで、十分な治療が行われていないのが実情である。静岡県立静岡がんセンター整形外科部長の片桐浩久氏は「もっと早く診断、紹介されていたら麻痺には至らなかった」骨転移例をこれまでに多数受け入れてきた。自身の経験に基づき構築した早期発見のための秘訣(スキル)を、第95回日本整形外科学会(5月19~22日)で...

骨粗鬆症の続発性骨折予防に骨形成促進薬

 北海道大学大学院整形外科学教室准教授の高畑雅彦氏は、脆弱性骨折を起こした骨粗鬆症患者に対する適切な治療薬選択について第95回日本整形外科学会(5月19~22日)で解説した。現在、骨粗鬆症治療薬として用いられているビスホスホネート製剤などの骨吸収抑制薬、副甲状腺ホルモン(PTH)製剤などの骨形成促進薬、活性型ビタミンD3薬やカルシウム薬などのカルシウム吸収補助薬の中でも、「連鎖的に生じる脆弱性骨折を防ぐには、骨量増加効果に優れた骨形成促進薬の選択が望ましい」との考えを...

少しの運動習慣でもロコモの保護因子に

 運動器の障害に伴う移動機能の低下(ロコモティブシンドローム)は若年層でも生じうるため、早期の対策が求められる。埼玉県立大学准教授/東京大学病院整形外科でロコモチャレンジ!協議会委員の山田恵子氏らは、ロコモ度1~3に関連する因子について全国的な調査を行い、結果を第95回日本整形外科学会(5月19~22日)で報告。少しの運動習慣でも保護因子になることを明らかにした。なお、詳細はBMC Geriatr(2021; 21: 651)に発表されている。...

明日からできる5つの水晶体被曝低減策

 昨年(2021年)電離放射線障害防止規則が改正され、「事業者は、放射線業務従事者の眼の水晶体に受ける等価線量を5年間につき100mSvおよび1年間につき50mSvを超えないようにしなければならない」とされた。従来の年間150mSvを大幅に引き下げた形で、放射線診療に関わる全診療科の意識改革が迫られている。第95回日本整形外科学会(5月19〜22日)のシンポジウム「整形外科医の職業被曝」から、京都医療科学大学教授の大野和子氏の講演を紹介する。『医療スタッフの放射線安全に係るガイドライン』をまとめた放射線科医の大野氏は、...

コロナのお家時間でロコモが増加

 新型コロナウィルス感染症(COVID-19)が蔓延する中で、外出自粛要請を受け、多くの国民が外出を控える期間が続いた。大阪公立大学大学院整形外科学准教授の寺井秀富氏は、外出自粛が整形外科受診患者の運動器に及ぼした影響を検証。COVID-19のパンデミック後に、ロコモティブシンドロームの有病率が高まったことを第95回日本整形外科学会(5月19~22日)で発表した。...

外反母趾を自撮り画像で診断

 外反母趾(HV)は、母趾が示趾側にくの字型に曲がる症状を呈し、日本では潜在的な患者が多いとされる。千葉大学大学院国際学術研究院准教授の山口智志氏は、自撮り画像とディープラーニングを用いてHVを診断するシステムを研究し、第95回日本整形外科学会(5月19~22日)で紹介した。...

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