心筋梗塞の再発予防でポリピルが有効
心筋梗塞患者では二次(再発)予防のために複数の薬剤を服用するケースが多いものの、これまでアドヒアランス不良が課題であった。米・Mount Sinai Health SystemのValentin Fuster氏は、Type 1心筋梗塞※高齢患者を対象に、アスピリン、アトルバスタチン、ラミプリルの3種配合剤(ポリピル)の有効性と安全性を検証する第Ⅲ相ランダム化比較試験SECUREの結果を欧州心臓病学会(ESC 2022、8月26~29日)で報告。従来治療の対照群と比べ、ポリピル群ではアドヒアランスが良好なだけでなく、心血管イベントのリスク低減も認められた。...
スマホのAF検出、機種を選ばず
スマートフォンなどのスマートデバイスに搭載されているフォトプレチスモグラフィー(PPG)センサーは、心房細動(AF)検出に有用な脈拍の乱れを感知できる可能性がある。オーストリア・Innsbruck Medical UniversityのAxel Bauer氏は、機種を限定せずにスマートフォンにダウンロードしたアプリのAF検出能を検証したランダム化クロスオーバー比較試験eBRAVE-AFの結果を、欧州心臓病学会(ESC 2022、8月26~29日)で報告。通常診療より検出能が高かったと発表した。
PCSK9阻害薬にレガシーエフェクトか
PCSK9阻害薬エボロクマブの国際共同第Ⅲ相試験FOURIERでは、動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)患者を対象に、至適用量のスタチンに同薬を上乗せすることで、心血管イベントの低減効果が示されていた(関連記事「PCSK9阻害薬で初、心血管イベント抑制」)。米・Brigham and Women's HospitalのMichelle L O'Donoghue氏らは、同試験のオープンラベル延長試験FOURIER-OLEの結果を欧州心臓病学会(ESC2022、8月26~29日)で発表。最長で8.4年間観察し、同薬の良好な結果が継続して得られたと報告した。...
アセタゾラミドで急性心不全のうっ血改善
ループ利尿薬へのアセタゾラミド追加により急性非代償性心不全(ADHF)のうっ血が3日以内に改善した。ベルギー・Hospital Oost-LimburgのWilfried Mullens氏らは、ADHF患者に対するアセタゾラミドのうっ血改善効果を検討した大規模多施設ランダム化比較試験(RCT)ADVORの結果を欧州心臓病学会(ESC 2022、8月26~29日)で報告した。詳細はN Engl J Med(2022年8月27日オンライン版)に同時掲載された。...
AMI後の出血を増加させない新規抗凝固薬
経口第Ⅺa因子阻害薬asundexianの抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)への上乗せは、急性心筋梗塞(AMI)後の出血を増加させないことが示された。米・Duke University School of MedicineのJohn H. Alexander氏らは、AMI発症後の患者を対象にasundexianの安全性と有効性を検討する第Ⅱ相試験PACIFIC-AMIの結果を、欧州心臓病学会(ESC 2022、8月26~29日)で報告した。詳細はCirculation(2022年8月27日オンライン版)に同時掲載された。...
喫煙者の血中CO上昇で院内心事故が増加
たばこの煙に含まれる一酸化炭素(CO)は、喫煙者の血流に短時間で吸収され血液の酸素供給能低下につながるため、心血管疾患への悪影響が懸念される。フランス・AP-HP-Hospital LariboisiereのPatrick Henry氏らは、冠疾患集中治療室(ICCU)に入室した喫煙症例のCOレベルが予後に及ぼす影響を検証する多施設前向き観察研究ADDICT ICCUを実施。血中COレベルが13ppm超の症例では、心原性ショックなどの急性心イベントの発生リスクが高かったとの結果を欧州心臓病学会(ESC2022、8月26~29日)で報告した。...
ダパグリフロジン、駆出率にかかわらず有効
左室駆出率(LVEF)が軽度に低下した心不全(HFmrEF)患者またはLVEFが保持された心不全(HFpEF)患者に対して有効な薬剤はほとんどなかった。米・Brigham and Women's HospitalのScott D. Solomon氏らは、第Ⅲ相二重盲検ランダム化比較試験(RCT)DELIVERの結果、SGLT2阻害薬ダパグリフロジンがHFmrEFとHFpEF患者における心血管死または心不全悪化のリスクを抑制し、LVEFにかかわらず有効性が示されたと欧州心臓病学会(ESC 2022、8月26~29日)で報告した。詳細はN Engl J Med(2022年8月27日オンライン版)に同時掲載された。...
服薬時間で心血管リスクは変わる?
血圧は日内変動が見られ、通常は日中の活動時に高くなり、就寝時に低くなるが、高血圧患者では夜間でも低下しにくいケースがある。英・University of DundeeのThomas MacDonald氏らは、高血圧患者における降圧薬の服薬タイミング(午前または就寝前)別に見た心血管イベントリスクを検証するTIME研究を実施。その結果を欧州心臓病学会(ESC 2022、8月26~29日)で報告した。...