狭窄が「軽度」でもプラークは巨大!
近年、不安定プラークを伴う症候性軽度頸動脈狭窄病変(以下、症候性軽度狭窄症)の存在が知られるようになり、『脳卒中治療ガイドライン2021』においても症候性軽度狭窄症に対するクリニカルクエスチョン(CQ)項目が追加された。しかしその特徴については不明な点が多い。倉敷中央病院(岡山県)脳神経外科・脳卒中科部長の黒﨑義隆氏らは、狭窄度が50%未満の症候性軽度狭窄症の臨床的特徴と長期治...
心房細動検出を予測するBNPの閾値は?
潜因性脳梗塞のうち塞栓性の機序が疑われるものは塞栓源不明脳塞栓症(ESUS)と呼ばれ、原因として潜因性心房細動(AF)や卵円孔開存症、がん関連血栓症などが考えられる。中でもAFの検出は脳梗塞再発予防のための抗凝固療法の導入を図る上で極めて重要であり、検出率向上に植え込み型心電計(ICM)が寄与することが示されている。一方、潜因性脳梗塞におけるAF検出の関連因子としてB型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)高値が知られ...
ω3脂肪酸内服で頸動脈プラークが安定化
50%未満の頸動脈狭窄に対する頸動脈内膜剝離術(CEA)、頸動脈ステント留置術(CAS)の有効性は確立されておらず、手術適応を検討する際はプラークの不安定性を制御することが重要である。スタチンがプラーク安定化をもたらすことは明らかであるものの、その作用は限定的である。一方、ω3脂肪酸が抗動脈硬化作用を持つことやプラークに集積することは知られているが、その影響については不明な点が多い。松波総合病院(岐阜県)脳神経外科部長の澤田元史氏は、ω3脂肪酸であるイコサペント酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)製剤の内服によるプラークへの影響を検討した結果を...
地域高齢者の脳動脈瘤有病率は4%
九州大学大学院衛生・公衆衛生学分野の古田芳彦氏らは、地域一般高齢者における頭蓋内未破裂脳動脈瘤(以下、脳動脈瘤)の有病率と発症率を検討した結果を、STROKE 2022(3月17~20日)で報告。「わが国の65歳以上の地域高齢者における脳動脈瘤の有病率は約4%、5年間の累積発症率は約1%と推定された」と述べた。...