どう考える?潰瘍性大腸炎の薬剤選択
潰瘍性大腸炎(UC)の治療は、2020年以降に生物学的製剤1剤、JAK阻害薬2剤が登場し、治療選択肢が拡大している。しかし、それらの薬剤をどのように使い分けるかに関しては定説がない。札幌東徳洲会病院(札幌市)IBDセンターの伊藤貴博氏は、UC患者を対象に2010年以降に臨床応用された生物学的製剤使用およびJAK阻害薬に関し、一次治療および二次治療にどの製剤を用いたら高い有効性が得られるかについて後ろ向きに解析。その結果を、第109回日本消化器病学会(4月6~8日)で報告した。...
ミリキズマブで潰瘍性大腸炎の便意切迫感が改善
慢性的に大腸の炎症が続く潰瘍性大腸炎(UC)患者にとって、便意切迫感は負担が大きい症状である。北里大学北里研究所病院炎症性腸疾患先進治療センターセンター長の小林拓氏は、今年(2023年)3月に中等症・重症UCを適応症として承認を取得したヒト化抗ヒトインターロイキン(IL)-23p19モノクローナル抗体ミリキズマブの第Ⅲ相二重盲検試験LUCENT-1(寛解導入試験)、LUCENT-2(寛解維持試験)における便意切迫感に対する有効性の検討結果を第109回日本消化器病学会(4月6~8日)で発表した。...
高齢の潰瘍性大腸炎にベドリズマブは有用
近年、高齢の潰瘍性大腸炎(UC)患者が増加しており、若年患者と同じ治療法で対応するのが適切かについて議論が盛んに行われている。ほとんどの例で併存疾患がある、担がん例が多い、感染症を起こしやすいといった特徴から、高齢UC患者の治療には多面的な配慮と慎重さが求められるためだ。こうした点を踏まえ第109回日本消化器病学会(4月6~8日)では、「高齢者炎症性腸疾患における治療選択とリスクマネージメント」と題するパネルディスカッションが行われた。...
潰瘍性大腸炎へのJAK阻害薬、休薬例の特徴
潰瘍性大腸炎(UC)に対する分子標的薬が相次いで登場し、現在、経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬3剤(トファシチニブ、フィルゴチニブ、ウパダシチニブ)が保険適用となっている。JAK阻害薬は安全性の観点から減量、休薬、再燃後の再投与などの考慮が必要なこともあるが、休薬のタイミングについて明確な指標はない。東京女子医科大学病院消化器内科の高鹿美姫氏は、同院においてトファシチニブを投与した患者を対象に、減量、休薬が可能だった症例の特徴などを検討。第109回日本消化器病学会(4月6~8日)で結果を報告した。...
若年の自己免疫性急性肝不全は要注意
自己免疫性肝炎(AIH)は、中高年の女性に多い原因不明の難病である。このうち、急性発症型重症型自己免疫性肝炎(SA-AIH)は近年増加傾向にあり、重症化し肝予備能が急激に低下する自己免疫性急性肝不全(AIH-ALF)を来すケースも少なくない。SA-AIHの短期成績や治療法は徐々にエビデンスが蓄積されつつあるが、長期予後については不明点が多い。...
ウステキヌマブ、潰瘍性大腸炎の長期成績は
インターロイキン(IL)-12/23阻害薬ウステキヌマブは、2020年3月に難治性の潰瘍性大腸炎(UC)への適応が追加されたものの、実臨床における長期成績の報告は少ない。大阪医科薬科大学内科学Ⅱ教室の小柴良司氏は、ウステキヌマブの長期有効性とそれに関連する予測因子について検討し、結果を第109回日本消化器病学会(4月6日~8日)で発表した。...