介護保険制度は家族を解放したのか
少子高齢化が急速に進む日本において、医療・介護費の増大は社会的な課題となっている。介護については2000年に介護保険制度が導入され、家族介護から社会全体で支える仕組みへと大きな転換が図られたものの、各種サービスや財源が介護者に適正かつ効率的に配分されているかは不明である。筑波大学ヘルスサービスリサーチ分野教授で医師の田宮菜奈子氏は、第31回日本医学会総会(4月21~23日)で全国介護保険レセプトデータ(以下、全国介護レセプト)や国民生活基礎調査などを基に医療介護の現状や財政上の課題を提示。介護者を直接支援する政策が取られていない現状を踏まえ、家族の視点を含めた制度の見直しが必要であると訴えた。...
医師でも根強い、性別役割分担の意識
世界経済フォーラムが2022年に発表した各国の男女格差を示すジェンダーギャップ指数(GGI)において、日本の総合順位は146カ国中116位と先進国で最低レベルだった。全国医学部長病院長会議男女共同参画推進委員会委員長で東京女子医科大学放射線腫瘍学教授・基幹分野長の唐澤久美子氏は、第31回日本医学会総会(4月21~23日)のダイバーシティ推進委員会企画で全国医学部長病院長会議男女共同参画推進委員会が実施した「男女共同参画に対する意識調査」の結果を報告。日本では医師においても男女の役割分担意識が強いことが示されたとし、その内容を踏まえ4つの提言を発表した。...
外科の働き方改革、大学病院での実例を紹介
2024年4月に開始される医師の働き方改革を前に、全国の医療機関でさまざまな取り組みが始まっている。昨今、勤務時間が長く、高度な技能修得のために自己研鑽が必要な外科では若手医師数が伸び悩んでおり、労働環境の改善が喫緊の課題となっている。東海大学医学部長の森正樹氏は、大学病院を中心に外科における働き方改革の実態を調査し、具体例を第31回日本医学会総会(4月21~23日)で紹介した。...
【速報】第31回日本医学会総会が始まる
東京丸の内・有楽町エリアで3日間にわたって開催される第31回日本医学会総会学術集会が本日(4月21日)スタートした。会頭で朝日生命成人病研究所所長/国立国際医療研究センター名誉理事長の春日雅人氏は、総会のメインテーマである「ビッグデータが拓く未来の医学と医療〜豊かな人生100年時代を求めて〜」について講演。革新的技術により医療の質の向上が期待される一方、医療への実装化には社会との合意形成が重要であると呼びかけた。...