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第64回日本神経学会

重症筋無力症への分子標的薬、使い分けは?

 重症筋無力症(MG)は、運動神経と筋肉のつなぎ目(神経筋接合部)のシナプス後膜上の蛋白質に対する病原性自己抗体が産生されることで神経筋接合部の伝達障害を来し、骨格筋の筋力低下を引き起こす自己免疫疾患である。2017年以降、補体C5を標的とするエクリズマブが難治性MGに対し保険適用となり、その後、胎児性Fc受容体(FcRn)阻害薬エフガルチギモド、長時間作用型C5阻害薬ラブリズマブと相次いで分子標的薬が承認され、選択肢は3製剤に広がった。...

認知症と向き合わない現行法制度

 判断能力が低下した高齢者の代わりに、弁護士や司法書士、親族などが財産管理などを行う成年後見制度については、使いにくさを指摘する声は多い。八千代病院(愛知県)神経内科部長/愛知県認知症疾患医療センターセンター長の川畑信也氏は、第64回日本神経学会(5月31日~6月3日)で「法律からみた認知症診療」と題して講演。メディアで取り上げられる機会が多い高齢ドライバーの認知機能検査や成年後見制度について、日本の法律および法律家が認知症と向き合えていない現状を指摘した。...

重症筋無力症、免疫抑制薬どう使い分ける?

 近年、重症筋無力症(MG)の治療戦略は新たな知見や分子標的薬の登場に伴い大きく変遷しており、治療薬の選択基準が複雑化している。東京医科歯科大学脳神経病態学分野(脳神経内科)准教授の西田陽一郎氏は、MGに対する非ステロイド免疫抑制薬として用いられるカルシニューリン阻害薬タクロリムスとシクロスポリンの使い分けについて、第64回日本神経学会(5月31日~6月3日)で解説した。...

視神経脊髄炎、抗体薬でステロイド減量

 視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)の治療は、ステロイドパルスや血液浄化療法などの急性期治療と、プレドニゾロン(PSL)などによる再発予防および対症療法が中心だが、健康面や美容面への悪影響が課題となっている。近年、NMOSDの再発予防薬として相次いで抗体医薬が承認されたが、対象患者、導入時期、現行治療薬の減量法といった具体的な使い分けに関する基準は確立されていない。神戸市立医療センター中央市民病院脳神経内科医長の石井淳子氏は、自施設で抗インターロイキン(IL)-6受容体抗体サトラリズマブを導入したNMOSD患者の臨床的特徴を検証。...

脳神経内科医が解説!頸椎症診療のポイント

 頸椎症は中高年以上で高頻度に見られる脊髄疾患で、日本では整形外科医が主体となって治療を行うことが多い。しかし、診断ではMRIなどの画像所見だけでなく、神経症候との対比で責任病変を類推する必要がある他、さまざまな神経疾患との鑑別も重要なため、脳神経内科医の果たす役割は大きい。亀田総合病院(千葉県)脳神経内科部長の安藤哲朗氏、中部ろうさい病院(名古屋市)脳神経内科部長の亀山隆氏は、脳神経内科医が頸椎症を診療する際のポイントについて、第64回日本神経学会(5月31日~6月3日)で解説した。...

VRリハビリ、慢性期脳卒中患者への効果は

 近年、バーチャルリアリティー(VR)技術を医療分野で活用する動きが広がっている。ヘッドマウントディスプレイを装着することで現実では見えにくい患部を可視化できたり、手術の疑似体験ができたりすることから、医学教育や手術のシミュレーションなどに用いられている。また、心理療法や身体リハビリテーション(以後、リハビリ)への応用も期待されている。...

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