管理不良糖尿病の一因に高コルチゾル血症
血糖コントロール不良の2型糖尿病患者では、4人に1人が高コルチゾル血症(hypercortisolism)を有している。こうした症例1,000例超を対象に、高コルチゾル血症の有病率を調査した米国初・最大の前向き研究CATALYST Part 1※1により、予想外の結果が明らかになった。高コルチゾル血症を有する高リスク群として、3剤以上の降圧薬併用などもクローズアップされた。高コルチゾル血症例の3分の1では、腹部CTにより副腎異常が検出されたという。第84回米国糖尿病学会(ADA 2024、6月21~24日)のシンポジウムで、臨床的意義を総括した米・University of North CarolinaのJohn B. Buse氏は「今回の結果は、なぜ多くの患者が2型糖尿病のコントロールに難渋するかを理解する上で、パラダイムシフトをもたらした」と強調した。...
軽度の高コルチゾル血症は新たな高血糖要因
クッシング症候群(CS)に特異的な臨床徴候を呈さない、軽度の高コルチゾル血症(hypercortisolism)が、心血管疾患(CVD)やその危険因子である糖尿病、脂質異常症、高血圧などとの関連から注目を集めている。第84回米国糖尿病学会(ADA 2024、6月21~24日)のシンポジウム"Prevalence of Hypercortisolism in Difficult-to-Control Type 2 Diabetes"では、米国人2型糖尿病患者における高コルチゾル血症の有病率を調査した大規模研究CATALYST Part 1※1の発表に先立ち、高コルチゾル血症に関する現在の理解、どのような機序で高血糖を生じるかについて、専門家らが解説した。...
心不全リスク低減、SGLT2阻害薬が他剤に優越
糖尿病治療薬のSGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬は、主に動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)、心不全(HF)、慢性腎臓病(CKD)などを合併した2型糖尿病の高リスク例に使用される。糖尿病患者のHF有病率は2割超との報告もあり、糖尿病診療において心血管リスクの管理は欠かせないが、糖尿病治療薬が心血管低リスク例に及ぼす影響は明らかでない。米・Harvard Medical SchoolのHelen Tesfaye氏らは、HF低~中リスクの2型糖尿病例を対象としたSGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬、DPP-4阻害薬、スルホニル尿素(SU)薬に関する後ろ向きhead-to-head研究を実施。...
フィブラート系が糖尿病網膜症の進行抑制
脂質異常症治療薬として開発されたフェノフィブラートが、プラセボに比べて早期の糖尿病網膜症/黄斑症の進行を有意に抑制することが、眼への影響を主要評価項目に設定した初のランダム化比較試験(RCT)で証明された。英・University of OxfordのDavid Preiss氏らが、英国立衛生研究所(NIHR)の助成を得て実施したLENS※1試験により明らかになったもので、結果は第84回米国糖尿病学会(ADA 2024、6月21~24日)で発表、N Engl J Med Evidence(2024年6月21日オンライン版)に同時掲載された。...