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第96回日本胃癌学会

 進行胃がんの薬物療法は、2021年11月に抗PD-1抗体ニボルマブが一次治療で使用可能となり、大きく様変わりしました。一次治療における抗PD-1抗体ペムブロリズマブ、三次治療におけるトラスツズマブ デルクステカンの最新データを取り上げるとともに、話題のAI内視鏡を用いた胃がん検診の取り組みを取材しました。学会終了後には大会長の大辻英吾氏にインタビューし、内容を振り返ってもらいました。

内視鏡AIが胃がん検診の負担を軽減

 近年、人工知能(AI)を活用して病変を検出する内視鏡AIの実用化が進んでいる。特に、多くの内視鏡スクリーニング検査を行う検診施設においては、AI導入による内視鏡医の負担軽減が期待されている。検診や人間ドックにいち早く富士フイルム社製内視鏡AI画像診断支援システム"CAD EYE"を導入した池田病院附属健康管理センター(静岡県)消化器外科の池田聡氏が、第96回日本胃癌学会(2月28日〜3月1日)で内視鏡AIがもたらす胃がん検診のメリットを報告した。...

進行胃がんへのT-DXd、4カ月時の間質性肺疾患は約5%

 HER2陽性の切除不能進行・再発胃がんの三次治療で使用される抗HER2抗体薬物複合体(ADC)トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)について、新たなリアルワールドデータが示された。近畿大学内科学教室腫瘍内科部門特命准教授の川上尚人氏は第96回日本胃癌学会(2月28日〜3月1日)で、T-DXdを投与された1,074例を対象とする製造販売後調査(全例調査)の中間解析結果を報告。安全性について「T-DXd投与後4カ月時点の間質性肺疾患(ILD)の発現割合は5.2%だった」と述べた。...

進行胃がん一次治療のペムブロ、日本人も著効

 2021年11月、抗PD-1抗体ニボルマブがHER2陰性の切除不能進行・再発胃がんの一次治療として承認され、胃がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の有効性に注目が集まっている。新潟県立がんセンター新潟病院消化器外科部長の會澤雅樹氏は第96回日本胃癌学会(2月28日~3月1日)で、一次治療における抗PD-1抗体ペムブロリズマブの有効性と安全性を検討した国際共同第Ⅲ相試験KEYNOTE-859の日本人サブグループ解析の結果を報告。「全生存(OS)で良好な結果を示し、安全性プロファイルも許容範囲内であった」と述べた。...

活況を呈した胃癌学会、総会会長の大辻氏に聞く

 2月28日〜3月1日に京都市で第96回日本胃癌学会が開催された。最新の術式や薬物療法、人工知能(AI)による画像診断、チーム医療など内科医、外科医の双方に有用な演題が並び、会場には多くの参加者が詰めかけた。会長を務めた京都府立医科大学大学院消化器外科学教授の大辻英吾氏と、同氏と日本外科学会の同期で現地参加した東邦大学大学院消化器外科学教授の島田英昭氏に学会を振り返ってもらった。...

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